【AFP=時事】カナダ西部サスカチュワン州は29日、山火事による緊急事態を宣言した。前日28日夜には隣接するマニトバ州も州全体に非常事態を宣言し、遠隔地の住民1万7000人に直ちに避難を命じた。
数年ぶりに最悪の山火事シーズンを迎えているマニトバ州では、今週すでに約4000人が避難。多くの避難者が夜間、渋滞した道路を車で移動し、29日に州都ウィニペグに到着した。
カナダのエレノア・オルショウスキ緊急事態管理相によると、マニトバ州北部の遠隔地にある二つの先住民コミュニティーには空軍機が配備され、住民の避難が進められている。
マニトバ州のワブ・キニュー州首相は火災が広範に発生している状況を警戒し、「今回初めて、一つの地域ではなく、全地域で火災が発生している。これはわれわれが適応を迫られている気候変動の兆候だ」と述べた。
マニトバ州では過去1か月で約20万ヘクタールの森林が焼失。これは過去5年間の年間平均の3倍に相当する。
カナダ全土では現在163件の山火事が発生しており、その半数が制御不能と見なされている。【翻訳編集】 AFPBB News