3人の子どもを育てるエリー・ドイルさんは、アメリカのフロリダ州からコネチカット州に引っ越した。
ドイルさんによると、フロリダの学校では図書館の本棚が一部空いたままになっていた。特定の書籍が撤去されるなどしているからだ。
コネチカット州では、学校に多様性が見られるという。
※この記事はエリー・ドイルさんへの取材をもとに聞き書き、編集したものです。
わたしはフロリダ州マイアミで生まれ育ったけれど、自分の子どもをここで育てたいとは思わない。その気持ちはパンデミックをきっかけに、さらに強まった。フロリダがいよいよおかしくなったと感じたのはこの頃だ。フロリダは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染予防措置を義務付けないことで有名だった。わたしには腎不全を抱えている家族がいた(わたしが腎臓を提供した)ので、わたしたちは特に感染には気を付けなければならなかった。フロリダで生活することがものすごく危険で、怖いと感じたわたしたちは、一時的にサウスカロライナ州に引っ越すことにした。政治の保守化が進み、攻撃的になっていく様子も見ていた。
こうしてわたしたち夫婦は5歳の娘と1歳の双子を連れて、フロリダからコネチカットに引っ越すことにした。一番上の子がこの秋、幼稚園に入る前にわたしたち夫婦が引っ越しを決断した理由を紹介しよう。
子どもたちにもっと良い学校を
マイアミの学校はわたしが通っていた頃も素晴らしいとは言えなかったけれど、フロリダの学校については、今はもっと心配なことがたくさんある。わたしたちが暮らしていたセントオーガスティンはなおさらだ。フロリダの学校では、図書館の本棚が一部空いたままになっていた。これもいわゆる”禁書”といった政策が視覚化されたものだ。
フロリダでは資金削減も進んでいる。甥っ子が参加していた”ギフテッド”向けのプログラムも終了し、わたしの友人は自閉症の娘を退学させなければならなかった。必要なリソースがなかったからだ。わたしはどんなニーズがあろうと、子どもたちがサポートしてもらえる地域で育ってもらいたいと考えている。
わたしたちが訪れたコネチカットの学校は内装も明るく、新しい遊び場があって、図書館にはぎっしりと本が揃っていた。こうした光景はフロリダでも私立の学校では見られるだろう。でも、コネチカットでは3万ドル(約430万円)の授業料を払わなくても、子どもたちはそれを手に入れられる。