ロンドン熱波、電車立ち往生で1800人閉じ込め 救出後線路を徒歩で移動

6月21日、英ロンドンで発生した電車立ち往生により、約1800人の乗客が猛暑の中、車両内に長時間閉じ込められました。救出された乗客たちは、炎天下の線路を歩いて最寄りの駅まで移動せざるを得ない状況となりました。この出来事は、記録的な熱波が公共交通機関に与える影響を浮き彫りにしています。

テムズリンク線で車両故障が発生

この立ち往生は、テムズリンク線のブラックフライアーズ駅とハーン・ヒル駅の間で車両が故障したことが原因で起こりました。故障した車両のすぐ後ろを走行していた別の2本の電車も影響を受け、合計3本の電車が線路上で完全に停止しました。

救出作業と過酷な車内状況

BBCの報道によると、最初の車両故障は午前10時40分頃に発生しました。約1時間40分後、立ち往生していた3本のうち2本の電車からの乗客救出が完了しました。しかし、残る1本からの乗客救出にはさらに約50分を要し、合計で数時間にわたり乗客は車内に閉じ込められました。

この日はイギリスの一部地域で今年最高の気温となる34度を記録しており、熱のこもった電車内は非常に過酷な状況でした。ソーシャルメディアには、乗客から「電子レンジでゆっくりと加熱されているような気分」「エアコンが動いていなかった」といった切実な声が寄せられました。中には、「蒸し暑い車両に2時間も放置された」と、対応の遅れに対する不満を表す投稿もありました。

ロンドンのテムズリンク線で立ち往生した電車から救出後、炎天下の線路を歩く乗客たちの様子ロンドンのテムズリンク線で立ち往生した電車から救出後、炎天下の線路を歩く乗客たちの様子

テムズリンク社の謝罪と説明

テムズリンク社の広報担当者は、今回の事態について謝罪の意を表明しました。「厳しい暑さの中で電力と空調が使えない状況だったため、サセックス州やケント州からも人員をかき集め、できるだけ早く、そして安全に乗客の方々を線路沿いに避難させました」と述べ、救出作業への尽力を強調しました。

また、救出作業が開始されるまで乗客を車内に留めた理由については、「乗客の救出に尽力する間、最も安全な場所は車内だと判断しました」と説明しました。

約1800人の乗客にとって、今回の電車立ち往生とそれに続く線路上での徒歩移動は、熱波の中での非常に過酷で不快な体験となりました。テムズリンク社は謝罪し、安全を最優先した結果であると説明していますが、公共交通機関の脆弱性と異常気象への対応能力が改めて問われる形となりました。

出典: BuzzFeed Japan via Yahoo!ニュース