韓国とASEAN「保護貿易に反対」 特別首脳会議閉幕





韓国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の特別首脳会議で発言する文在寅大統領(中央)=26日、韓国・釜山(聯合=共同)

 【釜山=桜井紀雄】韓国南部、釜山(プサン)で25日に開幕した韓国・東南アジア諸国連合(ASEAN)特別首脳会議は26日、経済協力の一層の強化を盛り込んだ「共同ビジョン声明」を採択し、閉幕した。声明では、米中の貿易摩擦などを念頭に「あらゆる形の保護貿易への反対」や朝鮮半島の平和促進もうたわれた。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領としては、米国や中国に偏らない「新南方政策」の基盤を固めるとともに、北朝鮮政策でASEAN各国の支持を取り付けた形だが、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の招請も不発に終わり、実質的な進展とはほど遠い。

 会議後の共同発表文では「保護貿易主義への懸念が強まる中、自由貿易がともに繁栄するための道だと改めて確認した」とし、韓国とASEANは「自由貿易協定(FTA)を土台に自由貿易を守っていくことにした」と強調した。韓国メディアは、日本の輸出管理厳格化への牽制(けんせい)も込められているとみている。

 ASEANが、朝鮮半島の完全な非核化と恒久的な平和構築に向け、ASEAN地域フォーラム(ARF)など地域協議体を活用し、対話や協力を促していく方針も打ち出された。



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