日向夏さんのライトノベルが原作のテレビアニメ「薬屋のひとりごと」。薬や毒にしか興味がなく、達観したようにも見える主人公・猫猫が人気を集めている。猫猫はどのように生まれたのか? 原作者の日向夏さんに聞いた。
◇猫猫もモデルはハブおじさん!?
「薬屋のひとりごと」は、とある大陸の華やかな後宮で、毒見役の少女・猫猫が、美形の後宮管理者・壬氏と共に陰謀やウワサのひしめく後宮で起きる事件に巻き込まれていくことになる。ライトノベルがヒーロー文庫(イマジカインフォス)から刊行されており、コミカライズも人気で、シリーズ累計発行部数は4000万部以上。テレビアニメ第1期が日本テレビ系で2023年10月~2024年3月に放送された。第2期が、日本テレビのアニメ枠「FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)」で放送中。
猫猫は、元気いっぱい、テンションが高い主人公というわけではない。しかし、実は奥底に熱い思いを秘め、飄々と難事件を解決していく。達観しているようにも見えるが、大好きな薬や毒のことになるとテンションが急に高くなるオタク気質なところもある。他人に興味がないわけではなく、困っている人や悩んでいる人に手を差し伸べる優しさもある。
日向夏さんによると、「薬屋のひとりごと」はそもそも「鉱山の街にいる3人の子持ちの女性」を主人公としたミステリーとして構想していたが、「小説家になろう」は若い読者が多いこともあり、10代を主人公にしたという。さらに華やかな後宮を舞台とすることで、物語を膨らませていった。
「最初は、3人の子供がいる女性の話にしようとしていましたし、猫猫にもおばさんのような図太さが残っていると思います。モデルがいるとすれば、ハブで血清を作っているおじさんです。ハブの毒を摂取して血清を作る方なのですが、それを参考にしました。こういうキャラにしようっていうのは、特になくて、書いているうちにああなっていったところもあるのですが」