「夏のボーナス335万円」 意外な大企業がトップに立った理由 「最近になって“神風”が吹いたことも大きい」


コンテナバブル

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 海運業界で働く関係者が言う。

「海運会社の業績は船賃の上下で決まりますが、日本では1960年代から国主導で行われた“海運集約”によって大手3社の寡占体制が出来上がっています。外国企業との激しい船賃競争に対抗するためでしたが、最近になって“神風”が吹いたことも大きいのです。コロナ禍が収束し始めた2023年、世界経済が一斉に動き出したことで、コンテナ船が足りなくなってしまい、船賃が急上昇。海運業界は“コンテナバブル”と呼ばれるほどの好業績をたたき出しました」

ボーナスは「ROE連動」

 同社に聞くと、

「(ROE連動のボーナス制度は)経営目標と市場評価・株主視点を一時金の考え方に取り入れ、従業員の経営参画意識の醸成を図るとともに、一時金決定の仕組みの透明性・可視化を図り、会社と個人の目指す方向を合わせることが狙いです」(コーポレートコミュニケーション部の担当者)

 なるほど、社員の意識も高まりそうだが、雑誌「経済界」の関慎夫編集局長によれば、

「そもそも日本企業においてボーナスは月給と同じ“生活給”とみなされてきました。計算法も基本給にベア(ベースアップ)を加え、その何カ月分というやり方です。だから会社が赤字になっても、ボーナスは支給されてきた。しかし、商船三井は業績連動にして、ボーナスをマーケットに委ねたことになる。その方が株主に説明しやすいからでしょう」

 商船三井の24年度のROEは16.9%。これを同社のボーナス制度にあてはめると年間で600万円を超える計算になる。

 来年度の海運市況はさておき、冬のボーナスもランキング上位に顔を出しそうである。

新潮社



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