BS-TBS「報道1930」(月~金午後7時30分)のキャスターを務める松原耕二氏は1日、TBS系「サンデーモーニング」(日曜午前8時)に出演。兵庫県の斎藤元彦知事の疑惑をめぐり、元県民局長のプライバシー情報漏洩(えい)について県が設置した第三者委員会が「斎藤知事の指示の可能性が高い」とする調査結果を公表した中で斎藤知事が自身の指示を否定したことに対し、「組織として成り立たない」などと厳しく批判した。
第三者委は5月27日に公表した調査報告書で、斎藤知事の疑惑告発文書を作成した元県民局長の私的情報について、知事の側近とされた元総務部長が県議3人に漏えいしたと認定。「知事や元副知事の指示で、県議会一部会派への根回しの趣旨で漏えいを行った可能性が高い」と結論づけた。これを受け、県は元総務部長を停職3カ月の懲戒処分とした。
一方、斎藤知事は「私からは、漏えいに関するような指示は一切していないという認識」として、第三者委員会の自身に対する指摘内容を再三否定。自身の処分に関しては「給与カットも含めて検討していきたい」と述べ、「給与カット」などで対応する認識を示している。
番組では、1週間のニュースを振り返る中で、第三者委の調査結果発表と斎藤知事の反応を伝えた。キャスターを務めるフリーアナウンサー膳場貴子から「第三者委員会の調査結果も否定して? そして、給与カットだけですませる(方針)という対応に、対応に正直言って、驚いたところがあるんですけれど…」と問われた松原氏は「自らが設置した第三者委員会の結論を否定するとしたら、何のための第三者委員会なのか」と怒りをにじませた。
「しかも調査結果を受けて、漏えいした職員、つまり部下には停職3カ月。これも軽いんですが、指示をしたと指摘された自分には、もっともっと軽い給与カットですまそうとするなら、これは組織としても成り立たないと思います」と、厳しくただした。
「斎藤知事は、公益通報を受けて告発者捜しを行い(元県民局長を)処分している。これも違法で、しかも告発者の信用を落とすために情報漏えいを指示したとするならば、これも違法だと思う」と、これまでの流れにも言及。その上で「人の命まで失われている。これで進退のことを考えないとしたら、今後、県政運営はできないと私は思います」と述べ「刑事告発をすべきという声も出ていますが、県民を代表する議会も、これからどうすべきかが問われている」と述べ、今後の議会側の対応にも注文をつけた。