子どもの就職先が「有限会社」と聞くと、「最近あまり聞かない会社形態だけど大丈夫?」「株式会社よりも規模が小さいのでは?」そんな疑問を持つ人もいるかもしれません。
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実は有限会社には一定の歴史と背景があり、必ずしもネガティブに捉える必要はありません。本記事では、有限会社と株式会社の違いや、企業の安定性を見る際のポイント、さらには有限会社でも大手と呼べる企業の実例について、分かりやすく解説します。
娘の就職先が「有限会社」と聞いて不安に……その理由は?
子どもの就職先が決まり、ほっと一安心と思いきや、会社名に「有限会社」とあることに不安を感じる人もいるのではないでしょうか。「今どき有限会社って大丈夫なの?」「株式会社じゃないのはなぜ?」といった疑問を持つのは自然なことかもしれません。
特に、有限会社という言葉を最近あまり見かけなくなったことで、「小規模で不安定なのでは」といった印象を抱くこともあるでしょう。
しかし、有限会社だからといって必ずしも経営基盤が脆弱(ぜいじゃく)であったり、福利厚生が劣っていたりするわけではありません。まずは、有限会社とはどのような法人形態なのか、株式会社とは何が違うのかを正しく理解しましょう。
そもそも有限会社とは? 株式会社との違いを解説
有限会社とは、日本の法人の一形態で、2006年5月の会社法施行をもって新たに設立することはできなくなりました。現在も存在する有限会社は、それ以前に設立され、会社法施行後も存続を選んだ、いわゆる「特例有限会社」と呼ばれるものです。
株式会社との主な違いは、資本金の下限、出資者(会社法上の「社員」)の人数制限、意思決定機関の構成などにあります。例えば、有限会社は資本金300万円以上、出資者は50人未満と定められていました。一方、株式会社にはこうした出資者数の上限はなく、会社法施行後は資本金1円からでも設立可能とされています。
ただし、これらの違いはあくまで制度上のものであり、実際の経営内容や企業規模とは必ずしも一致しません。「有限会社だから規模が小さい」「株式会社だから安定している」とは限らないのです。