率直に言う EVは「ハイブリッド車」を滅ぼすだろう


否定論を覆すEVの台頭

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 だが、EV否定論は依然として根強い。航続距離の短さ、冬季の性能低下、充電時間の長さなどを理由に、

「EVは普及しない」
「今後も内燃機関車、特にハイブリッド車(HV)が主流だ」

と結論づける意見が多い。

 こうした否定論は本当に妥当なのか。答えは否である。むしろ淘汰されるのは内燃車の側だ。EVはハイブリッド車さえも駆逐する可能性を秘めている。

コストで圧倒するEV

 一方、内燃車はどうか。これ以上の値下がりは期待できない。エンジン設計や製造工程には、すでに価格低下の余地がない。さらに、環境規制は年々厳しさを増している。

 運航費でも、EVが圧倒的に有利だ。1kmあたりの走行コストでは、内燃車を大きく引き離している。

 加えて、EVは再生可能エネルギーでも駆動できる。再エネ発電に燃料費はかからず、結果として発電単価は最も安い水準にある。FIT終了後の太陽光パネルで自宅充電すれば、電気代は実質ゼロだ。

 化石燃料による発電であっても、EVは依然として優位を保つ。石油1L分のエネルギーで、EVは内燃車の2倍以上の距離を走行できる。

 具体的にはこうだ。石油1Lの熱量は約10.5kWh。これを発電所で電力に変換する際の効率は約55%。そこから送電効率95%、EVの充放電効率90%、モーター効率98%を踏まえると、最終的にモーター出力端で約5kWhとなる。日産リーフで換算すれば、およそ30kmの走行に相当する。

 対して内燃車、主力であるガソリン車の場合はどうか。石油1Lから得られるのは、エンジン出力ベースでわずか3.2kWh程度。これはエンジン効率が平均30%前後にとどまるためだ。仮に最高効率が40%でも、走行条件や気温によって効率は大きく低下する。酷暑の影響も避けられない。結果、同等クラスの内燃車が走れる距離はせいぜい15km程度にとどまる。

 HVを加味しても、形勢は変わらない。プリウスが好条件下で30km走れるのは、回生ブレーキによる電力回収を含めた数値だ。だがEVにも回生機構がある。この効果を加えれば、EVはHVすら上回る。

 さらに、EVに使う発電燃料の選択肢は広い。現時点で主力となっている天然ガスは、石油の3分の1から7分の1という安値で手に入る。こうした要素がEVの優位性を一層強めている。



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