近頃「大谷ハラスメント」という言葉ができたという。大谷とはほかならぬドジャース大谷翔平のこと。筆者はこの言葉を聞いたときに、はて、大谷翔平が愛犬デコピンでもいじめているのか、と思ったのだが、そういうことではないようだ。
【写真】「大谷翔平ハラスメント」という言葉ができるほど絶好調の大谷翔平
「大谷ハラスメント」とは、大谷翔平に関する報道やプロモーションの過剰さを揶揄した言葉だそうな。大谷翔平自身には、何の問題も責任もないのだが。
■大谷翔平と他の日本人メジャーリーガーの差
「MLB開幕戦の熱狂を引き起こした大谷翔平の凄み」でも紹介したが、今年3月にMLBが主催して東京ドームで行われた「MLB東京シリーズ」のチケットは、異様な人気となった。
チケットサイトが事前に抽選販売をしたが、そのサイトは立ち上げ直後に「何万人待ち」の表示が出た。何次かの販売があったが、いずれも瞬時で売り切れた。転売ヤーたちも暗躍したようで、転売サイトには高額の価格をつけてチケットが出品された。
ただ、すべてのチケットが「超高嶺の花」になったわけではない。「MLB東京シリーズ」は、カブス対ドジャースの開幕戦2試合のほか、巨人、阪神とドジャース、カブスが対戦するプレシーズンマッチが4試合組まれていた。
そのうちのドジャース対巨人、ドジャース対阪神は、開幕2戦と同じく一瞬で売り切れたが、カブス対巨人、カブス対阪神は、席さえ選ばなければ何とか購入できたのだ。
同じプレシーズンマッチで、なぜこれだけの「差」がついたのか? 間違いなく大谷翔平が「1番DH」で出場するドジャース戦が、人気を呼んだのだ。カブスにも鈴木誠也、今永昇太と日本人メジャーリーガーがいた。カブス対巨人、阪神も満員にはなったが、ドジャース戦とは人気、注目度が全然違っていたのだ。
この「MLB東京シリーズ」は、グッズの売り上げも記録的だったようだが、それもこれも「大谷翔平」あってのことだったと思われる。
今、日本は「MLBブーム」だと思うが、それは実質的には「大谷翔平ブーム」と言って間違いないだろう。
大谷翔平に対する日本人の注目度がすさまじく大きいから、そのニーズを察知したメディアが過剰な報道を連日続け「大谷ハラスメント」と呼ばれる事態になったのだ。
■MLB公式サイトにも大谷翔平がトップ画面に掲載