夫から離婚届を受理しないよう申し出があったのに、その後に妻から出された離婚届を受理し、戸籍に記載してしまった。兵庫県姫路市は2日、そんなミスがあったと発表し、謝罪した。
市によると、4月9日に市内の60代男性から、60代の妻を相手方とした「離婚届不受理申出」の書類が窓口に出された。これは戸籍法に規定された手続き。届け出によって効力が生じる婚姻届や離婚届(協議離婚)などについて勝手に届けがされるのを防ぐ方法だ。
本来ならこの時点で申し出の情報が市の戸籍システムに入力されなければならなかったが、担当した職員が不慣れで入力をし忘れたという。
12日の土曜夜に妻が市役所守衛室に離婚届を提出。週明けの14日に市の担当者は不受理の申し出があったことを知らずにこの離婚届を受理し、戸籍に記載した。妻はその後、離婚後の戸籍証明書をコンビニエンスストアなどで取得したという。
市は18日、書類とシステム情報のチェックでミスに気づき、双方に謝罪。5月7日、法務局の許可を得て戸籍を訂正したという。
市は再発防止のため、不受理の申し出があったら必ずシステムに反映させることを徹底し、週1回だった書類とシステムのチェックを毎日することにしている。
夫は戸籍の訂正手続き中に先の不受理申出を取り下げ、新たに離婚届を提出した。この届けをもって、離婚は成立したという。(東孝司)
朝日新聞社