採用面接で「仲良くなくても仕事はできる」と言い放つ…就職率98%で量産される“史上最強世代”をどう扱う?


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(前後編の前編)

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※この記事は『若者が去っていく職場』(上田晶美著、草思社)の内容をもとに、一部を抜粋/編集してお伝えしています。

入社試験で「オールテレワークで働きたい」と言われ

 と言うのは、製薬メーカー宣伝職のJさん。二人の子育てをしながら働く40代で、コロナ禍からのテレワークにとても助けられたというワーキングマザーです。

「子どもはとにかく病気をします。いつも急なので予定が全く立たないし、有給休暇も足りません。そんなときに少し具合が良くなったら、家で子どもを見ながら仕事ができるテレワークはとても助かりました。子育て中の人にとって、テレワークほどありがたいものはありません」

 コロナ禍の最中はほぼ毎日テレワーク。しかし、2年目3年目と次第に出社が増えてきて、現在テレワークは週に1日くらいに減ってきたそうです。出社組が増える中で、Jさんは週に1 日のテレワークを死守していきたいと思っています。

「子どもが病気のときだけでなく、普段から通勤時間がないというのは何といっても体が楽です。それでなくても、毎日保育園の送り迎えがあるんですから。それだけでヘトヘトです。保育園には自転車ですが、乗りたがらないときはいっしょに気の済むまで歩きます。いつもギリギリです。でもテレワークの日は昼休みに買い物に行ったり、早めに料理などの家事もできて助かります」

 テレワークに救われたJさんですが、そのテレワークの影響なのか、若手に接するとかなり温度差を感じると言います。

「時々、採用面接にも現場のマネジャーとして顔を出すんですが、そのときのやり取りにモヤッとしました。志望してくる若い人にオールテレワークで働きたいと言われたんです。第二新卒くらいの20 代でしたが、それで会社になじめるのかな? 仕事を覚えられるのかな? と違和感を覚えました。それでつい、『はじめからテレワークで会社になじめますか?』と聞いたら、『仲良くならなくても仕事はできますので』と切り返されたんですよ」



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