小泉進次郎は禁断の“JA民営化”に手をつけるか、ジャーナリストが語る民営化のメリットデメリット


【写真】「昭和の暴走族じゃあるまいし」ハコ乗りで物議を醸した小泉進次郎

 と、農業関係者は不安を吐露した。

 5月21日、令和のコメ騒動の渦中で、小泉進次郎氏が農林水産大臣に就任。5キロ4000円台に跳ね上がったコメの価格を「5キロ2000円を目指す」と、備蓄米の放出に踏み切った。しかし、手放しで歓迎ムードというわけにはいかない。

環境大臣時代にレジ袋を有料化

 また独自色を打ち出そうとしているのでは、と気が気でない。父親の郵政民営化のように、農協民営化なんてされたらたまったものじゃありません」(前出・農業関係者)

 父・純一郎元首相に取材をしたこともあるジャーナリストの渋井哲也さんは、

「進次郎さんと純一郎さんは似ている面があるけれど、まったく違う。純一郎さんは意図的に信念を持って郵政民営化を行った。進次郎さんは壊すことを企んではいないし、その意志も感じない。ただ、いろんな人の意見を聞いて結果として壊しちゃうことはあり得る」

 進次郎パフォーマンスについても、

「スピード感はありますが、人から聞いたことを噛み砕かず、そのまま発信する。備蓄米には古米が含まれているため、新米より安くて当たり前。もともと2000円台で売っていたのに、備蓄米を放出したからだと信じきっている」(渋井さん、以下同)

農協が民営化されたら

「メリットとしては民間企業が参入しやすくなることですが、大規模農業ができる土地は限られているし現実問題、難しい。デメリットのほうが多い。例えば生産調整を誰がどこまで仕切るのか。それに中国など外国が土地を買い農業に参入して質やサービスが低下し、安心できないまずいコメが流通する可能性もある。郵政民営化のように大失敗すると思います」

 実際には、農協が民営化される可能性は低いという。

「農協は自民党の集票マシンにもなっているので、そこに手をつけることはあり得ない。郵便局長会も自民党の支持団体でしたが、純一郎さんはそれすら壊そうとしていたし、竹中平蔵氏という悪しき相棒もいた。

 一方、進次郎さんはいろんな人の意見を聞き、石破首相との関係もそこまで悪いわけではない。そもそも石破さんや進次郎さんは経済政策に強いわけではないから、農協については現状維持でいくんでしょうね」

 それでも渋井さんは懸念点があるという。

「石破さんは選挙のために党内で支持が高い進次郎さんを利用したい、進次郎さんは選挙のために農協と敵対したくない。2人とも自民党のためにやっていることで、国民のほうを向いていません」

 こうなったら選挙で「NO」を突きつけるしかない。



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