バンク・オブ・アメリカによると、株式市場が再び調整局面を迎える可能性があるという。同行のアナリストは、株価の下落は買いの好機であるとし、市場は依然として長期的には上昇トレンドにあると考えている。このところ、アメリカ財政状況に対する懸念から株価は下落している。
バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)によると、株式市場は再び買いの好機が訪れる兆しを見せているという。
同行のアナリストは、「S&P500がやや買われすぎの状態にあり、近いうちに再び下落する可能性がある」と話している。とはいえ、売りに対して過度に心配するのではなく、その下落局面は買いの好機と捉えるべきだとしており、市場は依然として全体的な上昇基調にあるとの見方を示している。
S&P 500は2025年5月16日にTDコンボ(TD Combo)が売りシグナルを示した。TDコンボはテクニカル分析家のトム・デマーク(Tom DeMark)が開発した売買タイミングを示すテクニカル指標の一つで、短期的な株価の価格変動を予測するのに使われている。
S&P500の相対力指数(Relative Strength Index:RSI)も、株価が調整局面に入る可能性を示しているとバンク・オブ・アメリカのアナリストは2025年5月21日に書いている。
「S&P500は気まぐれなわけではなく、ただ少し買われすぎていて金利の動きに敏感に反応しているだけだ。、株価などの価格が近いうちに一時的に下がる可能性があるが、そこで買うべきだ」とこのアナリストは述べている。
同行は、株価の最低支持水準を5580と見積もっている。この水準は、現在の値から約5%の下落を意味するものだ。
一方で、アナリストはS&P 500が6000まで上昇し、史上最高値を再び試すと見ている。また、短期的には6266まで上昇する可能性もあるという。
同行によると、市場が上昇する可能性がある理由がいくつかある。
その1つ目は、株式が2015年から2018年にかけての動きと似た軌道をたどっているように見えることだ。これらの年も大統領選挙の直後で、株式は約7%上昇した後にピークを迎えた。
2018年には、S&P 500は選挙後のピークから約10%下落した。2025年は選挙後のピークから約20%もの下落を記録している。
Jennifer Sor