【山田美保子のミホコは見ていた!】
巨人軍終身名誉監督・長嶋茂雄さんが3日午前6時39分、肺炎のため都内の病院で死去した。プロ野球にあまり詳しくない方でも「ミスター」という呼ばれ方や、「わが巨人軍は永久に不滅です」、「メークドラマ」などの名台詞は知っているだろう。また明石家さんまを始め長嶋さんをこよなく愛するタレントたちがバラエティ番組で度々ネタにしてきた、いわゆる天然エピソードは愛すべきものばかりだった。
なかでももっとも有名で何度聞いても視聴者を笑わせ続けたのは、1973年の「一茂置き忘れ事件」。長男の一茂氏に自身のプレーを見せようと後楽園球場に連れて行くも、試合終了後、スタンドに座らせていた一茂氏を置き忘れたまま帰宅してしまったというものだ。
妻の亜希子さんから「一茂は?」と聞かれて、やっと思い出したという嘘のような本当の話。チャーミングな長嶋さんを象徴するような珠玉のエピソードである。
その亜希子さんもとても楽しい方だったし独特の語彙を駆使して話される方だと番記者の女性から聞いたことがある。巨人軍の選手の妻たちを軽やかに、そして見事にまとめていらしたとも聞く。
そして「さんまのSUPERからくりTV」(TBS系)にレギュラー出演して以降、父上譲りの天然ぶりが視聴者に大ウケし、現在も情報番組やバラエティ番組から引っ張りだこの一茂氏については読者の皆さんもよく御存知だろう。
長嶋茂雄さんの葬儀・告別式は近親者のみで執り行い、喪主は次女でスポーツキャスターの長島三奈さんが務めるという。
2007年、亜希子さんが亡くなった後は、長嶋さんの個人事務所「オフィスエヌ」の代表取締役を引き継いでいた三奈さん。公私にわたり最期まで父上のサポートをしていらしたということだ。
三奈さんは1991年、テレビ朝日に入社。スポーツ局に配属されてからは記者としてパワフルかつ丁寧な取材や報告が選手にも視聴者からも支持され、「ニュースステーション」のスポーツコーナーは特に人気だった。1998年から2013年までの15年間、『熱闘甲子園』のメインキャスターを務めていた三奈さんは、一茂氏とは異なる形で野球を愛していらしたのだ。
改めて調べていたら、三奈さんの誕生日が6月3日であることがわかった。父上が旅立った日と同日なのである。最期の最期まで伝説を作られた長嶋茂雄さん。心より御冥福をお祈り申し上げます。合掌。