韓国のフィットネスジムで痛ましい事故が発生した。20キロのバーベルが落下し、女性が重傷を負った。加害者の無責任な態度と保険会社の補償拒否により、被害女性は苦境に立たされている。この韓国でのジム事故の実態を追う。
韓国のジムで起きたバーベル落下事故を報じるJTBC「事件班長」の画面キャプチャ
事故の発生と被害状況
報道によると、事故は4月11日、大田(テジョン)市内のフィットネスジムで起きた。女性はパーソナルトレーニング中、横たわって休息していた。その時、隣を通りかかった男性がバーベルに尻をぶつけ、支柱からバーベルが落下。女性の頭部を直撃した。この様子は防犯カメラ映像にも記録されている。
女性は脳震盪のほか、腰の痛みや額の傷を負い、現在も通院治療を続けている。「治療費は約1000万ウォン(約100万円)に上る」と知った男性は、「お金がない」「自分も尻が痛い」と言い放ち、連絡を絶った。女性は警察に被害届を提出したが、男性は警察の呼び出しにも応じていないという。
問われる加害者とジム、保険会社の責任
ジム側は事故を保険会社に報告したが、保険会社は「ジム側に過失がない」として補償を拒否した。ジム側は「道義的な責任は感じる」とするも、具体的な対応には至っていない。
JTBCの番組「事件班長」に出演したソン・スホ弁護士は、男性の過失は明白であり、少なくとも過失傷害罪が成立する可能性が高いと指摘。民事上の損害賠償責任も認められるだろうとの見解を示した。一方で、ジム側の安全対策に問題がなかったかどうかも別途検討すべきだと述べた。
被害女性の苦境と今後の課題
この事故は、加害者の無責任な対応と保険の課題により、被害女性が治療費の負担など深刻な苦境に立たされている現実を浮き彫りにしている。スポーツ施設における安全管理と責任、そして被害者救済のあり方が問われる事例だ。
出典: JTBC「事件班長」、KOREA WAVE/AFPBB News