元参議院議員で「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者(58)が、自死した元兵庫県議に関するデマを拡散したとして、兵庫県警に名誉毀損の疑いで逮捕された事件は、新たな局面を迎えています。立花容疑者の弁護人は罪を認め、遺族への謝罪と示談を進める方針を明らかにしましたが、亡くなった元県議の遺族は示談を断固として拒否しています。
立花容疑者側の「示談」申し入れと遺族の激しい怒り
11月14日、立花容疑者の弁護人は、名誉毀損の容疑を認めた上で、元兵庫県議・竹内英明氏の遺族に対し示談を申し入れる意向を表明しました。この方針は、同日、立花容疑者本人の意向を受けて決定されたとされています。
しかし、この知らせを受けた竹内氏の妻は、怒りをあらわに「そんなの絶対にダメ。受けません。絶対にです。断ってください」と即座に拒否しました。妻は、立花容疑者が夫を追い詰めた行為を強く非難し、「あんなにひどいことを言って、夫を追いやっておいて、自分が追い詰められたら今度は示談、お金で許してって、絶対にダメ」と述べ、謝罪も受け入れない姿勢を示しました。
選挙演説をする立花孝志容疑者
弁護方針の転換と裁判の行方
当初、立花容疑者の弁護人である石丸幸人弁護士は、「発言した内容については、真実だと信じる理由があった『真実相当性』があり、罪には当たらない」と主張する方針であることを明かしていました。しかし、14日には石丸弁護士自身のYouTubeチャンネルで、立花容疑者と話し合った結果、「真実相当性は争わないという弁護方針」へと転換し、事実上の「自白」となることを公表しました。これにより、今後、罪を認めて謝罪し、示談の申し入れを進める予定であると説明されています。
一方で、竹内氏の妻の代理人である郷原信郎弁護士は、示談に応じた場合、罰金などの略式処分となる可能性があり、そうなれば裁判が開かれず真相が明らかにならないと指摘しています。また、立花容疑者が過去に投稿した動画で「(竹内氏が逮捕されるなどと自分が発言した)情報が間違っていても、竹内氏が亡くなったのでいいかと思った」という趣旨の発言をしていたことにも触れ、遺族の感情を逆撫でする発言があったことを強調しました。
結論
立花孝志容疑者の名誉毀損事件は、弁護方針の転換と示談の申し入れという新たな展開を見せていますが、被害者遺族は示談を強く拒否しており、事態の収拾には程遠い状況です。この事件が今後、どのような形で法廷で裁かれ、真相がどこまで明らかにされるのか、注目が集まっています。
参考文献:
- Yahoo!ニュース. (2025年11月14日). 「NHKから国民を守る党」の党首で元参議院議員の立花孝志容疑者(58)が、自死した元兵庫県議に関するデマを拡散したとして兵庫県警に名誉毀損の容疑で逮捕された事件で11月14日、立花容疑者の弁護人が、罪を認めて元県議の遺族に謝罪し、示談を進める方針を明らかにした。だが、遺族は、「示談を絶対に認めない」と怒りをあらわにしている。





