運転手への点呼を巡って国土交通省が日本郵便に行った監査で、関東運輸局管内の郵便局で確認された法違反の点数だけで、一般貨物自動車運送事業の許可取り消し基準の2.5倍に達したことがわかった。国交省は5日、同事業の許可を取り消す方針を日本郵便に通知し、発表した。
大規模運送事業者で大幅な法違反が確認され、許可取り消しに至るのは極めて異例だ。日本郵便は処分で、約2500台あるトラックやバンが5年間、使えなくなる。
日本郵便では各地の郵便局で、運転手の健康状態などを調べる法定の点呼が適切に行われていないことが発覚。国交省は貨物自動車運送事業法に基づき、トラックやバンなど一般貨物車を扱う郵便局を優先して監査し、対象119局のうち7割にあたる82局を同法違反と認定した。
国交省は、点呼の未実施や虚偽記載など、同法違反の内容や回数などを点数化して処分を決める。関係者によると、今回の監査で、関東運輸局管内の郵便局だけで違反点数が200を超えた。81以上で事業許可取り消しで、同局管内の監査の段階で、日本郵便本社が同法違反で最も重い処分を受けることとなった。点呼問題での処分は初めて。
違反した局では、飲酒の有無を確認していなかったり、点呼をしていないのに実施したかのように記録を偽造したりしていた。
朝日新聞社