百田尚樹氏、赤沢経産相の「褒め殺し」に思わず感服?国会質疑の意外な展開

11月20日、参議院経済産業委員会において、日本保守党の百田尚樹代表(69)が赤沢亮正経済産業大臣(64)の所信表明演説に対し、その分かりにくさを巡って質疑を行いました。この日の委員会は、大臣が百田氏の著作を絶賛するという、政治討論としては異例の「褒め殺し」戦略で大きな注目を集めました。

百田氏、経産相の所信表明に異議

百田氏はまず、赤沢大臣の所信表明の冒頭にある「所信的挨拶」という表現に対し、「こんな日本語があるのか、中国語のようだ」と“ジャブ”を繰り出しました。さらに、小説家としての経験から「文章を書く上で最も重視するのは、読者に分かりやすく、理解しやすいこと」と述べ、赤沢大臣の所信表明が一般国民にとって意味が理解しにくいと指摘しました。百田氏が問題視したのは、「DX」「GX」「フュージョン・エネルギー」「ディープテック」「スタートアップ」といった、多用される専門用語や外来語でした。

赤沢経産相の「プリズム」絶賛で情勢一変

これに対し、赤沢大臣はまさかの方法で応酬しました。大臣は「百田先生の小説はほぼ全て読んでいます。特に『プリズム』は至高の作品で、『こんなことを書ける人がいるのか、天才だ』と震えました」と語り、百田氏の作品を熱烈に絶賛したのです。大臣は、百田氏からの「日本語が分かりにくい」との指摘には傷つく部分もあるとしつつ、国民に分かりやすい言葉で伝えることの重要性を認め、今後も努める意向を示しました。この大臣の予想外の対応は、SNS上で「褒め殺しだ」「うまい返しだ」と大きな反響を呼びました。

参議院経済産業委員会で質疑に臨む日本保守党の百田尚樹代表(左)と赤沢亮正経済産業大臣(右)参議院経済産業委員会で質疑に臨む日本保守党の百田尚樹代表(左)と赤沢亮正経済産業大臣(右)

委員会後のSNSでの反響:「チョロい」との声も

赤沢大臣の「褒め殺し」に対し、百田氏は「説明の中にまた訳の分からない外来語がよくあったが、それは置いときます」と述べたものの、その追求は「弱腰」になった印象を与えました。委員会後、百田氏は自身のX(旧Twitter)を更新し、赤沢大臣とのツーショット写真を投稿。大臣から再度「『永遠の0』も『海賊とよばれた男』も素晴らしいが、『プリズム』のラストには泣かされました」と語られたことを明かし、「『プリズム』のラストの凄さが分かるとは…。あかん、赤澤大臣のファンになりそうや」と綴りました。

この投稿には、ユーザーから「百田代表…ちょい待ち!!それは少しチョロいぞ」「あかん… この天才作家、チョロい…」「今頃『百田の弱点!』とメモが廻ってるな……」といった、百田氏が赤沢大臣の巧みな言葉攻めに「簡単に籠絡された」と揶揄するコメントが多数寄せられ、国会での一幕が意外な形で盛り上がりを見せました。