フジテレビ、巨額赤字原因巡り元幹部提訴 中居正広氏への法的責任追及も示唆

フジテレビは6月5日、港浩一前社長と大多亮元専務を提訴する方針を発表し、中居正広氏の「性暴力」を巡る一連の問題は新たな局面を迎えた。同社は直近の決算でグループ全体として201億円の最終赤字を計上しており、清水賢治社長は放送収入の大幅低下が原因だと説明。「当時の経営者に責任がある」として、元幹部らへの損害賠償請求を示唆した。

巨額赤字の背景と元幹部への責任追及

テレビ局にとって異例となる初の赤字決算は、中居氏の問題を受け多数のCMスポンサーが撤退したことが主な要因とされる。業界内では、この状況を招いた当時の経営判断に責任があるとの見方が強い。清水社長も会見で損害賠償請求の方針を示唆しており、その金額は億単位、さらには10億円を超える規模になるとの予測も出ている。

性暴力問題を巡るフジテレビの動きに直面する中居正広氏性暴力問題を巡るフジテレビの動きに直面する中居正広氏

中居正広氏への提訴可能性と「自己破産」説

では、問題の発端となった中居正広氏自身の責任はどうなるのか。清水社長は中居氏への法的責任追及の可能性について、「すべての選択肢を残した状態」だと述べるに留め、否定はしなかった。芸能関係者の間では、問題の張本人である中居氏に対し、元幹部と同等かそれ以上の損害賠償が請求されてもおかしくないとの見方が支配的だ。こうした中で、中居氏の年間数億円とされる収入や不動産所有にも関わらず、「自己破産」の可能性が囁かれている。その理由として、フジテレビからの巨額請求に加え、CM契約を解除した企業からの違約金請求も積み重なり、支払いが困難になる事態が懸念されているためだ。

第三者委員会とのやり取りと「反撃」の失敗

中居氏側は、5月12日に代理人弁護士を通じて、問題を調査した第三者委員会に対し、認定の根拠となった証拠開示などを要求。「反撃」の動きと報じられた。しかし、委員会側はこれに応じず、6月3日には「貴職らの見解と当委員会の見解の間には、依然として大きな隔たりがあり、埋め難い」「今後の貴職らとのやりとりを差し控えさせていただく」との回答を突きつけ、中居氏側の試みは事実上、失敗に終わった。

今回のフジテレビによる元幹部提訴の発表は、中居正広氏に関する一連の問題が、単なる芸能ニュースの枠を超え、企業の経済的損害や法的責任追及へと発展していることを示している。巨額の赤字を抱えるフジテレビの厳しい姿勢と、第三者委員会からの協力も得られなかった中居氏の状況は、今後さらに複雑化する可能性がある。

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