新幹線3人殺傷事件初公判 被告「殺すつもりでやりました」





東海道新幹線で乗客の男女3人が殺傷された事件の初公判で、傍聴券を求めて並ぶ人たち=28日午前、横浜地裁小田原支部

 昨年6月、東海道新幹線で乗客の男女3人が殺傷された事件で、殺人や殺人未遂の罪に問われた無職、小島一朗被告(23)の裁判員裁判の初公判が28日、横浜地裁小田原支部(佐脇有紀裁判長)で開かれた。小島被告は「殺すつもりでやりました。間違いございません」と起訴内容を認めた。

 起訴状などによると、小島被告は昨年6月9日午後9時45分ごろ、新横浜-小田原間を走行中の東京発新大阪行きのぞみ265号(16両編成)の12号車で、乗客の20代女性2人を鉈(なた)で切り付けてけがを負わせ、止めに入った兵庫県尼崎市の会社員、梅田耕太郎さん=当時(38)=の首や太ももを鉈やナイフで切り付けるなどして殺害したとしている。

 捜査関係者によると、小島被告と3人には面識はなかった。小島被告は平成29年12月に愛知県岡崎市の祖母宅を出た後、長野県内を転々して野宿をしていた。神奈川県警の調べに対し、「刑務所に入りたかった。他人が決めたルールで生きる方が楽だと思い、無期懲役を狙った」などと供述していた。

 横浜地検小田原支部は約4カ月間の鑑定留置を経て、昨年11月に刑事責任能力を問えると判断して起訴した。

 論告求刑公判は12月9日に行われ、判決は同月18日に言い渡される予定。

 事件をめぐっては、国土交通省が省令を改正し、在来線や私鉄を含む全ての列車内に梱包(こんぽう)されていない刃物類の持ち込みを禁じるなど対策を進めた。JR各社は新幹線車内に盾などの防犯・護身用具や、ガーゼといった応急救護品の配備に踏み切った。



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