吉田修一氏の傑作小説を李相日監督が映画化した『国宝』が、6月6日の公開を迎え、主要キャストの熱演や壮大な物語が観客を魅了し、SNS上では「絶賛」「興奮」の声が続出しています。特に多くの観客が言及しているのは、「3時間があっという間」という、作品に没入できる時間感覚に関する評価です。この話題作は、公開前からカンヌ国際映画祭での上映など注目を集めていましたが、実際に劇場公開されると、その期待を大きく超える反響を呼んでいます。
物語の背景と豪華キャスト陣
本作は、原作者である吉田修一氏が3年間、歌舞伎の黒衣として楽屋に入り込んで得た経験をもとに執筆した同名小説が原作です。極道の息子として生まれながらも歌舞伎の世界に飛び込み、芸の道をひたすら追い求めた主人公・喜久雄の波乱に満ちた50年間が描かれます。
主人公・喜久雄を演じるのは、李組に初参加となる吉沢亮。喜久雄の終生のライバルとなる歌舞伎界の御曹司・俊介役には、『流浪の月』(2022年)以来2度目の李組参加となる横浜流星。そして、俊介の父であり歌舞伎界の重鎮・半二郎役を、『許されざる者』(2013年)、『怒り』(2016年)に続き3度目の吉田作品映画化となる李相日監督のもと、渡辺謙が演じています。
批評サイトでの圧倒的な評価
映画・ドラマ・アニメのレビューサービス「Filmarks」では、5点満点中4.4という非常に高い評価を獲得しています。中でも注目すべきは、4.1から5.0の評価をつけたユーザーが全体の76%を占めている点です。また、映画.comでは4.4点、シネマトゥデイでは満点の5点と、いずれも極めて高い評価が寄せられています(いずれも6月8日時点)。
SNSやネット上には、「今年いちばんの映画」「とんでもない映画」「100年に一度の大作」「この映画こそが「国宝」」といった、作品への熱い思いを込めた感想が溢れています。
役者陣の魂を削る歌舞伎演技
特に観客を驚かせ、感動させているのが、主演の吉沢亮、横浜流星をはじめ、少年時代を演じた黒川想矢、越山敬達、そしてベテランの渡辺謙、田中泯といった劇中で歌舞伎を披露するキャスト全員が、吹替えなしでその演技に挑んでいることです。
主演の吉沢亮は、本作のために準備期間から撮影終了まで約1年半もの間、作品に全てを捧げたと語っており、その計り知れない努力が見事に結実しています。
映画「国宝」より、歌舞伎シーンで熱演する吉沢亮と横浜流星
とりわけ吉沢亮と横浜流星の演技に対しては、「壮絶」「凄まじかった」「2人の説得力抜群のビジュアルと鬼気迫る演技」「どれだけの努力を重ねたのかと胸が熱くなった」「めちゃくちゃ歌舞伎勉強したんだろうな」「神がかっている」といった絶賛の声が多数寄せられています。特に、二人が披露する「曽根崎心中」のシーンは、「まさにバケモン」と評されるほど、観客に強烈なインパクトを与えています。
また、少年時代の喜久雄と俊介が畏怖する存在として描かれる、人間国宝・万菊を演じたダンサーの田中泯氏の演技にも、熱い反応が寄せられています。役者たちの芸への真摯な取り組みと、それを可能にした李相日監督の演出手腕が、多くの観客の心を捉え、圧倒的な評価へと繋がっています。
結論
映画『国宝』は、原作の持つ力強い物語と、李相日監督の演出、そして何よりも吉沢亮、横浜流星をはじめとするキャスト陣の魂を削るような演技、特に吹替えなしで挑んだ歌舞伎の表現によって、観客に深い感動と興奮をもたらしています。各種レビューサイトでの高評価やSNSでの絶賛の声は、本作が単なる話題作に留まらず、観る者の心に強く響く傑作であることを証明しています。3時間という上映時間を忘れさせるほどの没入感は、作品の質の高さを物語っており、今後さらなる反響を呼ぶことが期待されます。