トランプ政権、CDCワクチン諮問委員を全員解任 – 再編に着手

トランプ米政権の保健福祉省(HHS)は9日、疾病対策センター(CDC)の予防接種実施諮問委員会(ACIP)に属する外部のワクチン専門家17人全員をケネディ厚生長官が解任したと発表しました。これは、トランプ政権による公衆衛生に関する重要な諮問機関の再編の始まりを告げるものです。ケネディ氏はワクチン安全性への懐疑的な発言で知られ、今回の決定について「国民の信頼回復を優先し、公平な科学に基づく勧告を行うため」と説明しています。

米保健福祉省長官ケネディ氏 - ワクチン諮問委員解任発表に関連米保健福祉省長官ケネディ氏 – ワクチン諮問委員解任発表に関連

解任の背景と専門家の懸念

HHSによると、解任されたACIP委員は全てバイデン前政権下で任命され、トランプ政権が2028年までに過半数を任命するために今回の措置が必要とされました。これに対し、食品医薬品局(FDA)元主任科学者のジェシー・グッドマン氏は「悲劇だ」「政治的な干渉信頼を低下させる」と強く批判しています。ACIPはFDAが承認したワクチンの推奨を決定し、これがCDCのスケジュールや保険適用に影響します。今回の再編が今後のワクチン政策に与える影響が懸念されています。

まとめ

トランプ政権によるCDCワクチン諮問委員全員の解任は、公衆衛生諮問機関の再編に向けた大きな動きです。ケネディ長官は信頼回復を理由としますが、専門家からは政治的干渉による信頼低下が懸念されており、今後の米国のワクチン政策への影響が注目されます。

出典:ロイター通信