11月上旬、賑やかな幹線道路沿い。秋特有の柔らかな光がアスファルトに落ちるなか、地元で愛される庶民派スーパーから現れたのは、ひときわ目を引く一組の男女だった。
男性はサングラスをかけ、全身を黒でまとめている。ラフな装いにもかかわらず、ガッチリとした体格からは、隠しきれない存在感が滲み出ていた。彼の隣には、長身で目鼻立ちのくっきりとした”マギー似”の美女が、ピッタリと寄り添っていた。
店を出ると、二人はふと足を止め、自然と視線を絡ませる。互いを見つめる瞳が親密さを物語っていた。この男性こそ、若手実力派俳優として引っ張りだこの水上恒司(26)である──。【前後編の前編】
有村架純の相手役で鮮烈デビュー
水上は2018年、「岡田健史(おかだけんし)」の芸名で、オーディションを勝ち抜き、ドラマ『中学聖日記』(TBS系)で、主演・有村架純の相手役である黒岩晶役に抜擢され、芸能界デビューを飾った。芸能プロ関係者の話。
「芸能界デビューがTBSドラマの2番手というのは異例と言っていいでしょう。その背景には、彼が中学生だったころから5年にわたり、口説き続けた前事務所の社長の存在がありました。小中高と野球を続け、大学に進学して野球を続けることも考えていたそうですが、高校野球部を引退したあと、ついに芸能界入りを決意します。前社長は、自らの苗字を水上の芸名に使わせるほど、その才能に期待を寄せていたようです」
当時、有村はインタビューで水上について
《引っ張っていかなきゃと最初思っていたのが、途中からそんなこと考えなくてもいいくらい大きな背中になっているのを目の当たりにして本当にすごいなと思いました》
と絶賛していた。周囲の期待通り、水上は2019年にはテレビドラマ初出演を飾り、その翌年には映画デビューを果たしている。大河ドラマ『青天を衝け』など、立て続けに話題作に出演。さらに、『ViVi国宝級イケメンランキング 2020年下半期』NEXT部門で1位を獲得。2021年3月には出演した3作で、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞している。






