山中綾華、Mrs. GREEN APPLE脱退後に見つけた「もうひとつの柱」 セカンドキャリアへの挑戦

大好きなことを仕事にできるのは大きな喜びです。人気バンドMrs. GREEN APPLEでドラムを担当し、長く続けた音楽キャリアを終えた山中綾華さんが、新たな夢を見つけ、セカンドキャリアへと踏み出しています。ここでは、その過程と彼女の心境に迫ります。

活動休止期間に「自分は何者か」と深く内省

Mrs. GREEN APPLEは2013年に結成され、山中綾華さんはそのドラマーとして活躍しました。2015年のメジャーデビュー後、『青と夏』、『僕のこと』など数々のヒット曲を生み出しましたが、2020年7月、デビュー5周年を機にバンドは活動休止を発表しました。この期間、山中さんは自身の将来について深く考える機会を得たといいます。

活動中は音楽活動に専念し、自身のキャリアについて考える時間はほとんどありませんでした。しかし、活動休止によって生まれた時間で、普段は会えなかった幼なじみや家族とじっくり話すことができたそうです。彼らとの会話から大きな影響を受け、世の中には自身の知らない多様な職業や世界が広がっていることを実感し、社会そのものへの興味を持つようになりました。この経験が、音楽以外の分野にも目を向けるきっかけとなったのです。ただし、この時点では具体的な別の選択肢を思い描くには至りませんでした。

脱退後の心境と自己探求

身近な人々との交流が視野を広げるヒントを与えた後、2021年に山中さんのバンド脱退が発表されました。脱退直後の心境について、彼女は「燃え尽きた」感覚に近かったと語っています。中学3年生で女性ドラマーの演奏動画に憧れて以来、高校の部活動、音楽専門学校、そしてプロとして、ドラムとともに人生を歩んできました。

脱退という出来事は、突然立ち止まることを意味し、「自分は何者なのか」という問いに向き合わざるを得ない状況を生みました。この内省の期間は、山中さんにとって何が本当に大切なのかを考える貴重な機会となりました。ドラムはすでに彼女の人生において非常に大きな存在であり、これからも続けていくと決意していましたが、それと並ぶ「もうひとつの柱」となるものが欲しいと感じるようになったのです。これが、音楽以外の次のキャリアを真剣に模索し始める動機となりました。

制服姿でドラムを叩く高校時代の山中綾華さん制服姿でドラムを叩く高校時代の山中綾華さん

新たな一歩と同世代との比較

ドラムという揺るぎない柱に加え、もうひとつ新たなキャリアの柱を求めること。キャリアの方向性を変えることについて、周囲の反応はどうだったのでしょうか。まわりの人々からは「決断できてよかったね」「間違ってないよ」という肯定的な言葉を多くもらったといいます。

脱退後、同年代の友人と再会する機会が増えましたが、彼女たちと話す中で、自分がバンド活動を終えて社会に出る時点で、周囲と比較して5、6年遅れているのではないかという焦りを少し感じたこともあったそうです。しかし、音楽以外の可能性に気づけた「今」だからこそ、これからでも遅くない、自分にできることをもっとたくさん探し、挑戦したいという強い意志を持って、新たな一歩を踏み出しています。

Mrs. GREEN APPLE元ドラマー山中綾華さんがセカンドキャリアについて語るMrs. GREEN APPLE元ドラマー山中綾華さんがセカンドキャリアについて語る

まとめ

Mrs. GREEN APPLEのドラマーとして成功を収めた山中綾華さんは、バンド脱退という大きな転機を経て、自身の内面と深く向き合いました。活動休止中の経験や身近な人々との交流から、音楽以外の社会や職業世界への興味を抱き、人生の「もうひとつの柱」を探すことを決意。周囲からの応援を受けつつも、同世代との差に一時的な焦りを感じながらも、「今からでも遅くない」という前向きな姿勢で新たなキャリアへの一歩を踏み出しています。彼女の自己探求と挑戦は、多くの人々に勇気を与えるでしょう。

参照元

CHANTO WEB掲載インタビュー記事