週末、ロサンゼルスの中心部にある拘留センター前で連日行われた抗議活動には、数十人の移民が参加し、正義を訴えた。彼らは武装した移民税関捜査局(ICE)の職員によって拘束された人々だ。職員らは装甲車両を使用し、主に中南米系住民が多い市内のオフィスを標的にしていた。この抗議デモは、当初は平和的に始まったものの、次第に激化していった。
ソーシャルワーカーとして住居や書類を持たない住民を主に支援するエストレラズル・コーラルさんは、数時間に及んだ平和的なデモの後、州兵が反撃を開始したと証言する。「彼らは催涙ガスをこちらへ投げてきた。私たちは言われたとおりにしていただけだった」とコーラルさんは語った。「それで人々は本当に動揺し、怒った。そこから事態がエスカレートしたと思う」。
米国ロサンゼルスにて、移民取り締まりに抗議しメッセージを掲げる人々
8日の日暮れ時、CNNの特派員はデモが暴力的な様相に変わる様子を記録した。一部のデモ参加者は自動運転車に放火し、幹線道路の高架下に退避した警官隊に石を投げる者もいた。デモ行進によって交通が封鎖される中、別の参加者らは連邦政府の建物にスプレーで法執行機関に反対するスローガンを書き連ねた。ロサンゼルス市警によると、この日少なくとも21人が逮捕された。
米政権は不法移民への強硬な姿勢を貫いているが、1992年以降初めて米国市民に対し州兵を派遣するというトランプ大統領の決定は、即座に反発を招き、やがて暴力へと発展した。
デモの異なる側面:権利擁護と衝突志向
実際のところ、抗議デモは異なる集団に分かれていたようだった。一方には、適切な書類を持たない人々の保護を目的とする進歩的な住民グループ。それに対し、もう一方の参加者は、街を暴力的な混乱に引きずり込もうとしているように見えた。
米国内の「ララサ」(メキシコ系や先住民)の権利擁護に取り組む団体ウニオン・デル・バリオは、ICEなどの機関に対抗する取り組みを称賛した。同団体の広報担当者はソーシャルメディアで、「ロサンゼルスのコミュニティーには拉致や家族の引き離しから人々を守る道徳的権限と普遍的権利がある」と主張した。広報担当者はまた、「この数日で起きているのは破壊行為や犯罪行為ではなく、政府に対する抵抗運動だ。政府は我々の父や母、妻や夫、子どもたちを拉致している」と述べ、「人々は家族や同胞に対する深い愛と正義感からこうした行動に出た」と説明した。
当局の評価とデモ参加者の分析
しかし、ある郡当局者は8日の状況を、ロサンゼルスにとって「最も危険な夜の一つ」だったと振り返った。ロサンゼルス市警のジム・マクドネル本部長は、警官への暴力的な攻撃を非難する一方で、平和的な抗議を行った昼間の人々と、夜間に暴力を扇動した人々を区別する見解を示した。
警察幹部の情報筋はCNNに対し、8日夜に集まった群衆について情報分析が行われていることを明らかにした。分析の結果、多くのデモ参加者は最近の移民摘発を動機としており、連邦政府によるロサンゼルスへの州兵派遣にも強い不満を抱いていることが分かった。
しかし、この諜報分野の情報筋によれば、一部のデモ参加者は法執行機関が俗に「プロ暴徒」と定義する人々に合致するという。こうした人々は、常に法執行機関との衝突の機会を探していると分析されている。
ロサンゼルスでの移民を巡る抗議活動は、移民政策への不満、州兵派遣への反発、そして異なる目的を持つ集団が入り混じる複雑な様相を呈し、平和的な表現から暴力的な衝突へとエスカレートした。当局は参加者の多様な動機を分析しつつ、事態の沈静化を図っている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ca1c649ff164870577b1690fd2e579619e1185e4