開業3年目にクリニックを襲った台風による浸水で、借金をして購入した高価な医療機器は壊滅状態に。絶望の淵にあったとき、聞こえてきた「それでも備えよ」の言葉に促されて、クリニックを大改築したら……。
常に前向きに考えるようにしよう。そうすることが心身の健康の保持に大きく影響を与えるものだ。だからこそ日々ポジティブな言葉を使い、ポジティブな気持ちで暮らすことを意識したいと“陽気なドクター”こと石内裕人医師は語る。
※本記事は、石内裕人著『病が逃げ出す「見えない力」』より、一部を抜粋編集しました。
■否定的な言葉は身体を弱くする
皆さんは日頃から健康を保つ努力をしていらっしゃると思います。
できるだけ身体を動かしたり、食べるものに気を配ったり、サプリメントを飲んだり。きっと人それぞれの健康法があることでしょう。それらにぜひ加えてほしい健康法がもう1つあります。
それは「自分自身に対して否定的な言葉を使わない」ことです。
言葉には不思議な力があります。「言霊(ことだま)」というのを聞いたことがあるでしょう。古来「繰り返し発せられた言葉は本当のことになる」と言われていますが、それは医学的にも根拠があることなのです。
ネガティブな言葉を使い続けると、次のような変化が起こり、体調に影響することがあります。
●ストレスホルモンの増加
コルチゾールが増加すると自律神経が乱れ、交感神経が興奮状態になります。交感神経とは、いわば「闘争」の時に活発になる神経で、交感神経が優位になると、気が立ってイライラするようになります。
心身が常に緊張している状態になりますから、それが疲労感や不眠のもとになってしまいます。疲労が溜まると身体の免疫力が低下し、感染症に罹りやすくなります。
●自己肯定感の低下
否定的な言葉を繰り返すことによって「自分はダメな人間だ」という自己暗示にかかり、自己肯定感が下がります。自己肯定感の低下は不安障害やうつ状態など精神面の悪化に繋がります。
●思い込みによる行動の制限
「どうせできない」「自分はダメだ」などと、否定的な言葉を自分に向かって言い続けると、その気持ちが自分の中でどんどん膨れ上がってしまいます。






