大人の恋愛模様を繊細に描き、高い人気を誇るフジテレビ系月9ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』。古都・鎌倉を舞台に、小泉今日子演じるテレビ局プロデューサーの吉野千明と、中井貴一演じる市役所職員・長倉和平のロマンチックコメディとして、多くの視聴者に親しまれています。2012年の第1期、2014年の第2期を経て、前作から実に11年もの時を経てオリジナルキャストが再集結した第3期も終盤に差し掛かり、シリーズファンからは早くも最後から二番目の恋 続編、すなわち第4期の放送を期待する声が聞かれます。しかし、劇中におけるあるキャラクターのセリフや物語の重要な展開から、今回の第3期がシリーズの事実上の最後から二番目の恋 最終回となる可能性が極めて高いという見方が出ています。本記事では、その考察を深掘りしていきます。
「結論を出したくない」和平の言葉の真意
主演の小泉今日子と中井貴一が演じる吉野千明と長倉和平は、互いに強く惹かれ合いながらも、恋人や夫婦といった定まった関係に踏み込まず、絶妙な距離感を保ち続けています。第7話の重要なシーンで、千明にほのかな好意を寄せる医師・成瀬(三浦友和)から二人の関係性について問われた和平は、自身の複雑な心境を率直に吐露しました。彼は「『付き合ってるの? 恋人なの?』って聞かれれば、『いや、違います』としか言いようがない。まあ違う。いや、違う……違うんですよね」と前置きしつつも、「でも、一番大切な人であることは間違いない。ずっとそばにいてもらいたいと思いますし。幸せであってほしいとも思ってます」と真心を明かしました。
ドラマ『最後から二番目の恋』ダブル主演の小泉今日子と中井貴一
そして、第4期完結説の最も重要な根拠として多くの識者が注目するのが、その後に続いた「結論をね、出したくないっていうのかな。だから、楽しいっていうか」という和平の言葉です。一般的な恋愛ドラマは、主人公たちの関係が最終的にどのように「結論」を迎えるかを描くことに主眼が置かれ、多くの場合、結ばれるか否かがクライマックスとなります。しかし、和平が「結論を出したくない」と明確に語り、さらにその結論の出ない「いま」の状態を「楽しい」と感じていることは、脚本家・岡田惠和氏が、千明と和平の関係に伝統的な「結ばれる」という結末を用意していないことを強く示唆しています。むしろ、「結論を出さない」という今の心地よい関係性こそが、このシリーズにおいて描かれる二人の関係性の「結論」である、と解釈するのが自然でしょう。この和平のセリフは、物語全体の方向性を明確に決定づけていると言えます。
家族それぞれの物語が「次のステージ」へ
第3期がシリーズ全体の最終章となる可能性を感じさせる理由は、和平と千明の関係性に関する示唆だけではありません。長倉家を構成する他の主要キャラクターたち、すなわち和平の妹・典子(飯島直子)、そして双子の弟妹・真平(坂口憲二)と万理子(内田有紀)といった個性豊かな面々もまた、それぞれの人生における重要な課題に立ち向かい、新たな段階へと進んでいく姿が丁寧に描かれています。
第3期を通して、彼らが長年抱えていた問題や葛藤が解決に向かったり、未来への展望が開けたりするエピソードが続きました。ホームドラマとしての側面も強く持つ本シリーズにおいて、中心となる長倉家の物語がそれぞれ収束に向かっている状況は、シリーズ全体が大きな区切り、つまりグランドフィナーレを迎えようとしていることの強い示唆と捉えられます。メインキャラクターたちの個人的な物語の完結や新たな出発は、シリーズ全体の終了を示唆する重要なサインと考えられます。
物語全体に影を落とした真平の病状が完治
長倉家の物語に長年影を落としてきた要素として、真平の病状があります。小学生の頃に脳の病気を患って以来、常に再発リスクを抱えて生きてきたこの設定は、第1期から物語に緊張感と深みを与えてきました。しかし、第8話で真平の脳腫瘍が完全に消滅し、病気が完治したことが明かされました。これは、長年家族が向き合ってきた「死の恐怖」という根源的な不安要素が解消されたことを意味します。真平の病気克服は、単なるキャラクターの救済ではなく、物語全体を覆っていた暗い影が晴れ、シリーズが一つの大きなテーマを完了させた象徴的な出来事です。彼の完治は、長倉家の物語、ひいてはシリーズ全体の終幕を示す極めて重要なポイントと言えるでしょう。
主演・中井貴一の「続編ポリシー」とその示唆
主演を務める中井貴一さんの続編に対する考え方も、第4期が実現しない可能性を高める要因の一つとして指摘されています。中井さんは以前のインタビューで自身の「続編ポリシー」について明確に述べており、「続編をやるからにはバージョンアップしないと、やる必要はない」という強い信念を持っています。
この発言からわかるように、中井さんは安易な続編制作には否定的であり、前作を超える質の向上や新たな挑戦がなければ続編を引き受けないというプロ意識の高さを示しています。もし『最後から二番目の恋』が「結論を出さない」という結末で第3期を終える場合、その後の物語は、和平と千明の変わらない日常や、長倉家のほっこりするやり取りが中心となるでしょう。脚本家・岡田氏であれば巧みに描写できるかもしれませんが、それは「結論が出ない状態の楽しさ」を描き切った後の「惰性による蛇足」と見なされるリスクも伴います。中井さんの厳しい基準に照らせば、これ以上の「バージョンアップ」は難しいと判断される可能性があり、主演俳優のこうした姿勢も、今作がシリーズの「グランドフィナーレ」となる予感を一層強める材料と言えます。
結論
本記事では、ドラマ『最後から二番目の恋』第3期がシリーズのグランドフィナーレとなる可能性について、長倉和平の「結論を出したくない」というセリフに込められた真意、長倉家の他の主要キャラクターたちの物語の節目、そして長年物語に影を落としてきた真平の病状の完治という物語上の大きな展開、さらには主演・中井貴一さんの続編に対するポリシーといった複数の要素から考察しました。これらの示唆を総合すると、今回の第3期がシリーズの完結編であるとの見方は非常に濃厚です。
いずれにしても、『最後から二番目の恋』第3期は残すところあと数話。物語がどのように着地するのか、そして和平と千明の関係性が最終的にどう描かれるのか、最後まで見届けたいと思います。ドラマファンとしては、感動的で満足のいく最終回を期待せずにはいられません。
ソース: https://news.yahoo.co.jp/articles/3f0f99a069dd7dcbbc86b0dcde95e3fdf198a28c