俳優の藤木直人(52)が、フジテレビ系7月期水曜午後10時枠の新ドラマ「最後の鑑定人」(9日スタート)で主演することが10日に発表されました。これは、サイエンスミステリージャンルの作品で、藤木は元科捜研のエースで鑑定所を開設した特異な鑑定人役を、元乃木坂46の女優・白石麻衣(32)がヒロインとして、その鑑定所で働く個性的な研究員役を演じます。この注目の新ドラマは、現在様々な課題に直面しているフジテレビにとって重要な作品となります。
7月期フジテレビ系新ドラマ「最後の鑑定人」で主演を務める俳優・藤木直人
ドラマ概要と異色の設定
新ドラマ「最後の鑑定人」は、作家の岩井圭也氏による同名小説を原作としています。原作者の岩井氏は北海道大学農学部を卒業し、微生物の研究経験を持つという異色の経歴の持ち主です。その科学的なバックグラウンドが作品に反映されており、科学捜査の細部までリアルに描かれている点が特徴です。制作サイドは、この原作の骨太な内容を丁寧に映像化することを目指していると報じられています。高度な科学知識とミステリー要素が融合した、見応えのある作品が期待されます。
企画変更と制作遅延の背景
当初、フジテレビの水10枠では別の企画が検討されていたといいます。フジテレビ関係者によると、嵐の松本潤が警察官を演じる警察モノの企画が浮上していましたが、最終的にはまとまらず、この話は流れたとされています。その結果、松本潤はTBS系で同じく7月期に放送されるドラマ「19番目のカルテ」で主演することになりました。
この企画変更に加え、今回の「最後の鑑定人」はクランクインが比較的遅れたことも指摘されています。撮影開始は今月1日、千葉でのロケから始まりました。7月期ドラマとしては通常より遅いスタートと言えます。その後、東京、神奈川、埼玉といった首都圏を中心に急ピッチで制作が進められています。
フジテレビ内部の混乱とその影響
今回のドラマ制作の背景には、フジテレビ内部の混乱が影響している可能性も指摘されています。元タレントの中居正広氏を巡る性暴力問題への同局の対応は批判を浴び、スポンサーのCM出稿見合わせが続出するなど、番組制作にも余波が及んでいます。水10枠にどの程度直接的な影響があったかは不明ですが、テレビ局全体の状況が無関係ではないと考えられます。
昨年7月期に同枠で放送された「新宿野戦病院」は、同年5月上旬にクランクインしていました。「最後の鑑定人」はそれと比べて3週間ほど遅れての開始となります。また、「新宿野戦病院」のダブル主演(小池栄子、仲野太賀)が発表されたのが昨年5月21日だったのに対し、今回の発表も同時期と比べ3週間ほどの遅れが見られます。一方で、今年10月期のドラマの一つは、タイトルやキャストなどが未発表ながら既にクランクインし順調に撮影が進んでいるとも報じられており、今回の「最後の鑑定人」の制作の遅れが浮き彫りになっています。
フジテレビは5日、一連の問題に関して港浩一前社長と大多亮元専務を提訴する準備に入ったことを明らかにするなど、経営陣を巡る混乱も続いています。このような状況下でも、各番組の制作サイドは視聴者におもしろい作品を届けようと奮闘している様子がうかがえます。
制作陣の挑戦
多くの課題がある中でも、「最後の鑑定人」の制作チームは、異色の原作を丁寧に映像化し、骨太なサイエンスミステリーを作り上げることに力を注いでいます。主演の藤木直人、ヒロインの白石麻衣を中心に、キャストとスタッフが一丸となり、放送開始に向けて急ピッチで作業が進められています。フジテレビの信頼性が問われる中で、このドラマがどのような評価を得るか注目されます。
Source: https://news.yahoo.co.jp/articles/82df7bb1e9d7071b75cd52a1def4a7530649c166