中居正広、フジテレビとの「性暴力」認定巡る対立深まる ダブル提訴の可能性も

「俺にはブレーンがいるから」「次の次まで考えているよ……」――元SMAPの中居正広氏(52)は知人にそう豪語していたという。この発言が、フジテレビとの間で新たな局面を迎えている問題を巡るものだとすれば、その対立はすでに泥沼の様相を呈している。事の発端は2023年6月2日に起きた、中居氏と元フジテレビアナウンサーAさんとの間のトラブルだった。

第三者委員会の「性暴力」認定と中居氏の反論

2025年3月31日、このトラブルについて調査を行っていたフジテレビなどが設置した第三者委員会が、調査報告書を発表した。スポーツ紙記者によると、報告書では「その日」に起きたトラブルが、WHO(世界保健機関)の定義に基づき、「業務の延長線上における性暴力だった」と認定されたという。

この認定に対し、発表から42日後の5月12日、中居氏側が反撃に転じた。中居氏の代理人弁護士らが中居氏に詳細な聞き取りを行った結果として、「『性暴力』という日本語から一般的に想起される暴力的または強制的な性的行為の実態は確認されなかった」と発表したのだ。さらに、スポーツ紙記者は、WHOの定義に基づき性暴力と認定したことについても、「中立性・公正性に欠け、一個人の名誉・社会的地位を著しく損ない、極めて大きな問題がある」と中居氏側が主張したことを報じている。中居氏側は同委員会に対し、関連する証拠の開示も求めた。

しかし、同委員会はこれに対し、「事実認定は適切」と回答した。

泥沼化する交渉とAさんの胸中

第三者委員会の回答を受け、中居氏側の弁護団は再び反撃に出た。スポーツ紙記者によると、「(報告書は)だまし討ち」に等しいなどとして再度、資料の開示と釈明を要求する文書を公表。しかし、同委員会はAさんへの二次被害の危険性を踏まえ、「今後は中居氏側とのやりとりを差し控える」と回答し、事実上の「交渉打ち切り」を通告したとされる。

こうした中居氏側の動きについて、5月14日にはNEWSポストセブンがAさんに直撃取材した内容を報道。芸能記者によると、「『困惑している』『過去の嫌な思いがフラッシュバックする』というAさんの悲痛な思いが語られていました」という。中居氏の予想外の行動に、Aさんは疑問を感じ、さらには怒りすら覚えているとも取れる内容だったと報じられている。

フジテレビ、株主からのダブル提訴の可能性

フジテレビとの問題で重圧に直面する中居正広氏の痩せた様子フジテレビとの問題で重圧に直面する中居正広氏の痩せた様子

この問題は、フジテレビ自身の経営にも影を落としている。5月に発表されたフジ・メディア・ホールディングスの決算では、グループ全体の最終損益が201億円の赤字とされている。芸能記者によると、フジテレビとしてはこの問題を早期に解決し、撤退した多くのCMスポンサーを取り戻したい状況だという。その中で、中居氏が問題を混乱させるような動きを見せているため、正直なところ辟易しているだろうと見られている。フジテレビはすでに港浩一前社長と大多亮元専務を提訴する方針を発表しているが、中居氏に対しても損害賠償請求に踏み切るのではないかという憶測も囁かれている。

フジテレビだけでなく、中居氏には別の方面からの爆弾も存在する。3月には、株主の一人がフジテレビの旧経営陣らに対し、233億円もの損害賠償を求める株主代表訴訟を起こしている。株主としてはフジテレビの経営を立て直したいと考えており、今回の問題を引き起こした中心人物である中居氏の「悪あがき」によってトラブル解決が長引くことを望んでいない。そのため、矛先が中居氏に向かう可能性は十分に考えられる。

冒頭の中居氏の発言通り、彼が反撃の手を緩めないのであれば、フジテレビ、そして株主からのダブル訴訟に直面する可能性もゼロではないだろう。資産数億円とされる中居氏であっても、支払い切れないほどの賠償額になってしまうこともあり得る状況だ。


参照元:

https://news.yahoo.co.jp/articles/1b0e3c05dc9341c7b86673a24a1b1f40ac37bd20