俳優や劇作家として活躍した斎藤歩(さいとう・あゆむ)さんが、6月11日早朝、病気のため亡くなった。60歳だった。同日、公益財団法人北海道演劇財団が公式サイトで発表した。
俳優・劇作家 斎藤歩さんの肖像写真
北海道演劇財団が発表、病気療養中に永眠
財団の公式サイトでは、「かねてより病気療養中だった、北海道演劇財団理事長斎藤歩が、6月11日早朝に、永眠いたしました。」と伝えられた。ここに生前の故人の厚意に深く感謝する意が示されている。葬儀は故人の遺志により家族葬として執り行われる。
葬儀は家族葬、後日お別れの会を予定
通夜や告別式への参列、香典、供花、供物、弔電などの厚志については、遺族の意向により辞退するとのこと。なお、後日、お別れの会が開催される予定であることが告知されている。
俳優・劇作家として多岐にわたる活動
斎藤さんは1964年12月20日生まれ、北海道出身。北海道大学演劇研究会を経て、札幌を拠点とした演劇創造活動、そして東京を拠点に映画、テレビ、舞台出演など、多岐にわたる分野で活動を展開した。
崔洋一監督や三池崇史監督の映画作品をはじめ、北野武監督の『アウトレイジビヨンド』、白石和彌監督の『日本で一番悪い奴ら』、マーティン・スコセッシ監督の『沈黙-サイレンス-』など、数多くの作品で個性豊かな役柄を演じ分け、その演技力は高く評価された。また、細田守監督のアニメーション映画『サマーウォーズ』では陣内侘助の声優を務めるなど、声の演技でも存在感を示した。
テレビドラマでは、NHKの連続テレビ小説『半分、青い。』や『エール』、大河ドラマ『龍馬伝』など、人気作品への出演も多数。劇作家としても活動し、脚本執筆や演出も手掛けていた。
北海道演劇財団の要職を歴任
斎藤さんは北海道演劇財団において、芸術監督、そして理事長を歴任し、北海道の演劇文化の振興にも尽力した。
がんとの闘病も公表
近年は、がんとの闘病生活を送っていることを公表しており、その闘病の様子は、今年2月にテレビ朝日系列で放送されたドキュメンタリー番組「テレメンタリー」でも取り上げられ、「生ききる」ことを決意した夫婦の姿が反響を呼んでいた。
貢献への追悼
俳優、劇作家、そして北海道演劇財団の要職として、日本の演劇界・映像界、そして北海道の文化に多大な貢献をした斎藤歩さんの突然の逝去は、多くの関係者やファンにとって大きな悲しみとなっている。