中国、海自機異常接近で日本を非難 「偵察」がリスク根源と主張

【北京時事】中国軍機による海上自衛隊機への異常接近問題について、中国外務省の林剣副報道局長は12日の記者会見で、この出来事は日本側の「偵察」行動が原因であると強く非難しました。

中国外務省の建物、記者会見の背景に。海自機への非難報道に関連。中国外務省の建物、記者会見の背景に。海自機への非難報道に関連。

中国側の主張詳細

林副報道局長は、日本の海上自衛隊の艦艇や航空機が「中国の正当な軍事活動に対し、接近して偵察活動を行ったことが、全てのリスクの根源だ」と強調しました。その上で、日本側に対して「危険な行為」を直ちにやめるよう要求。同時に、中国軍が西太平洋上で実施している活動は「国際法に完全に合致している」との従来の立場を改めて表明しました。

中国海軍の活動拡大

この異常接近に先立ち、中国海軍の報道官は10日、空母「遼寧」と「山東」の2隻が西太平洋で訓練を実施したと発表していました。この訓練は、遠海防衛能力と統合作戦能力を検証するためのものとされています。中国の空母2隻が同時に太平洋上で活動していることが確認されたのは、これが初めてです。

太平洋上で日本の海上自衛隊機に異常接近したとされる中国軍のJ-15戦闘機。太平洋上で日本の海上自衛隊機に異常接近したとされる中国軍のJ-15戦闘機。

関係国との摩擦と過去の事例

近年、中国海軍は活動範囲を急速に拡大させており、これに伴い関係国との間の摩擦が強まる傾向にあります。例えば今年2月には、オーストラリア東部沖やタスマン海で演習を実施した際、実弾射撃訓練の警告が直前すぎたため、複数の民間航空機が迂回を余儀なくされました。これに対し、オーストラリアとニュージーランド両国政府は中国側を強く非難しています。

中国側は今回の海上自衛隊機への異常接近は日本側の「偵察」に起因するものと断じ、自らの軍事活動の正当性を改めて主張しました。中国の活動拡大に伴う周辺国との緊張は今後も注視されます。

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