西日本のJリーグクラブの本拠地スタジアムで改修や新設が相次ぐ中、2024年10月にオープンしたPEACE STADIUM Connected by SoftBank(略称=ピースタ)が大きな注目を集めている。約2万人収容の都市型スタジアムの完成は、長崎の街の人の流れを大きく変え、スタジアムやV・ファーレン長崎(以下、V・ファーレン)、そしてサッカーそのものへの関心を飛躍的に高めた。東洋経済オンラインでは、クラブ幹部へのインタビューも交え、この新たな本拠地がクラブ経営と長崎の街に与えるインパクトを検証する。
現在J2で戦うV・ファーレンは、2024年シーズンは惜しくもJ1昇格プレーオフ準決勝で敗退したが、今季は元日本代表の山口蛍やマテウス ジェズス、フアンマ デルガドといった実力のあるタレントを擁し、J1昇格を視野に入れている。
チームのホームスタジアムは、これまでの諫早市にあるトランスコスモススタジアム長崎から、JR長崎駅から徒歩約10分という好立地のピースタへと移った。昨年10月6日の公式戦以降、この新たな場所での試合が、驚異的な集客増に繋がっている。
新スタジアムへの移行による効果は、特に興行収入に顕著に現れた。V・ファーレンの発表によると、2024年シーズン終盤のリーグ戦ラスト3試合とプレーオフ準決勝の合計4試合をピースタで開催したところ、入場料収入の合計は2億4000万円に達した。これは、2023年のホームゲーム19試合分の入場料収入を上回る金額であり、新スタジアムが持つ潜在力の大きさを物語っている。チケットの種類も多様で、2~3万円台のVIP席やボックス席なども設けられており、高価格帯のシートが全体の収益を押し上げている構造が見て取れる。
V・ファーレン長崎 新スタジアム「ピースタ」での試合風景。J1昇格を目指すチーム
ピースタがもたらす爆発的な集客と入場料収入の増加は、V・ファーレン長崎の経営基盤を強化する起爆剤となる可能性を示している。このスタジアム効果を最大限に活かし、J1昇格、さらにはその先にある壮大な目標達成への道筋をどう描いていくのか、今後の展開に注目が集まる。
長崎新スタジアム「ピースタ」の内部。VIP席やボックス席が収益増に貢献
【参考資料】
東洋経済オンライン: 「爆儲けスタジアム」が長崎に来て起きたヤバい変化(https://news.yahoo.co.jp/articles/7898052960b7b6d7b451247e832c0dab40b600d3)