近年、日本各地でクマによる人身被害が連日報じられ、社会問題として大きな注目を集めています。このような状況の中、俳優であり、狩猟免許を持つ現役猟師としても活動する東出昌大(37)が、自身の連載でこの「クマ問題」について言及し、大きな反響を呼んでいます。彼の発言は、メディアの報道姿勢や現代日本人の心理に疑問を投げかけるものでした。
東出昌大が語る「クマ問題」の核心
東出昌大は28歳で狩猟免許を取得し、2021年頃からは山小屋で半自給自足の生活を送るなど、長年にわたり自然と共生する生活を実践してきました。その経験から、『SPA!』の連載「誰が為にか書く~北関東の山の上から~」でクマ問題に対する独自の見解を述べています。
彼は記事の中で、近年のクマ騒動が「メディアが『クマは数字が取れる!』と気付いたからここまで過熱しているのだろう」と指摘。さらに、「クマ騒ぎの源泉は『クマが危険』という話ではなく、何某かを仮想敵とし、吊し上げる対象を見つけたいという欲求を抱えた現代日本人の心ありようなのではなかろうか」と、社会の深層心理にも踏み込んだ分析を展開しました。この内容はYahoo!ニュースにも転載され、大きな話題となりました。
東出昌大
世間の多様な反応と批判
東出の発言に対しては、8000件以上のコメントが寄せられ、様々な意見が交わされました。批判的な声が多く、「報道の過熱は確かにあるが、警戒するに越したことはない」「今はそういうことを言っている場合ではない」といった意見が見られました。また、「熊に対しての知識が無いのがほとんどで警察や自衛官もしかり。その中で実際に猟師として鹿や熊に対峙して来た者としての意見を言われても簡単には受け入れ難い」という声や、「北関東の山地に居住されてるとのことで、地域的な偏りでお話しされているのではないかと思います。東北地方や北海道では市街地にまで出没されているとのことなので、日常の生活空間に入り込んでいると思われる状況と、そうでない状況では、切迫感が異なる」といった、地域による被害状況の違いを指摘するコメントも目立ちました。
記事の真意と発表時期の背景
ある芸能ライターは、東出が「クマは危なくない」と言いたかったわけではないと分析しています。記事の真意は、クマ事件のメディア報道のあり方を問題視しつつも、猟師の高齢化問題やクマ駆除の実態に触れ、現状への課題提起にあったと指摘。また、この連載が掲載された『SPA!』2025年10月14日・21日合併号は10月7日に発売されたものであり、現在のクマを取り巻く状況がさらに急激に悪化しているため、東出自身の意見も変化している可能性が考えられると述べています。
クマによる甚大な被害が報告されている現状を鑑みると、様々な意見がある中で、私たち一人ひとりが引き続き警戒を怠らないことが重要であると言えるでしょう。




