兵庫県知事 斎藤氏ら書類送検 優勝パレード巡る背任容疑

兵庫県知事の斎藤元彦氏と片山安孝元副知事が、阪神・オリックスの優勝祝賀パレードに関する背任容疑で兵庫県警により書類送検されました。市民団体からの告発を受け、県内の金融機関が協賛金を出した見返りに補助金を増額する約束をした疑いが持たれています。容疑の有無については現時点で不明ですが、兵庫県警と神戸地検は斎藤知事周辺の複数の問題を調査しており、地元メディアからは厳しい論調も出ています。

兵庫県知事の斎藤元彦氏(左)と書類送検された片山安孝元副知事(右)。阪神・オリックス優勝パレード関連の背任容疑で捜査対象に。兵庫県知事の斎藤元彦氏(左)と書類送検された片山安孝元副知事(右)。阪神・オリックス優勝パレード関連の背任容疑で捜査対象に。

詳細な経緯と疑惑の背景

兵庫県警は、県議会の6月定例会が閉会した翌日の6月13日に書類送検を行いました。これは県政界への影響を最小限に抑えるための判断とみられています。書類送検の際の起訴すべきか否かに関する「処分意見」は明らかになっていません。「嫌疑はなかった」と伝えられている可能性も指摘されていますが、県関係者からは、パレード問題の他にも斎藤氏に関連する違法行為の指摘が根強く残っているとの声が上がっています。

このパレード疑惑については、今年1月に亡くなられた竹内英明元兵庫県議も深く関わっていました。竹内氏は県議会の調査特別委員会(百条委)の委員として疑惑解明に尽力しましたが、昨年11月の兵庫県知事選に関連し「斎藤知事の疑惑をでっち上げた黒幕」とする誹謗中傷を受けました。精神的に追い詰められ、県議を辞職後に自死されたとみられており、この問題の深刻さを示しています。

竹内元県議が生前語っていたところによると、優勝パレードの費用集めは、提唱者である吉村洋文大阪府知事がクラウドファンディングで行うと表明しましたが、目標の5億円に対し、開催前日までに集まったのは約9300万円にとどまりました。このため、パレード終了後も企業からの協賛金集めが続けられました。

兵庫県側で協賛金集めの中心となったのは、当時副知事だった片山氏です。片山氏はパレード開催の2日前に、県内のT信用金庫の理事長に対し、県内の信用金庫各行の協賛金を取りまとめるよう依頼しました。片山氏は県信用保証協会の理事長経験者であり、金融機関との間に強い繋がりを持っていました。その結果、T信金を含む11の信用金庫が、それぞれ50万円から300万円を拠出し、合計2000万円が集まりました。

疑惑の核心:協賛金と補助金の関連性

同じ時期に、県内部では金融機関向けのコロナ対策補助金制度に関連して、2023年度秋の補正予算において当初1億円と見込まれていた総額が、4億円へと大幅に増額されていました。この増額は、片山元副知事と斎藤知事の指示によるものだったとされています。

こうした経緯から、「信用金庫がパレードに協賛金を拠出したことの見返りとして、県が補助金を増額することを約束したのではないか」という疑惑が、県庁内で燻ぶっていました。この疑惑に基づき市民団体が告発を行い、今回の書類送検に至ったものです。県警が容疑ありと判断したかは定かではありませんが、告発内容について捜査を進めた結果として書類送検が行われました。

今回の書類送検により、斎藤知事と県政を取り巻く状況は一層厳しさを増しています。パレード疑惑に加え、他の問題への捜査も進められており、今後の司法判断と政治的な動向が注目されます。

参考資料:
出典: https://news.yahoo.co.jp/articles/efe2de8ec48834bc3e35f5647349aead71c79cb5