新型Switch 2、発売直後に中古品?「ダウンロードコンテンツ利用不可」表示の背景を解説

任天堂の新型ゲーム機「Nintendo Switch 2」が発売され、早くもフリーマーケットサイトでの転売が問題となっている。さらに、中古品として実店舗に並んでいるという報告がSNSで大きな話題を呼んだ。特に注目されたのは、その中古品に貼られた「ダウンロードコンテンツ利用不可」という注意書きだ。この表示が何を意味するのか、様々な憶測が広がっている。

中古品として販売されている新型Nintendo Switch 2 マリオカート ワールド セットの写真。価格タグに「ダウンロードコンテンツ利用不可」の注意書きが見える。中古品として販売されている新型Nintendo Switch 2 マリオカート ワールド セットの写真。価格タグに「ダウンロードコンテンツ利用不可」の注意書きが見える。

発売直後の中古品、SNSで波紋

話題となったのは6月8日のX(旧Twitter)投稿だ。投稿者である裾野こがらさん(@nokogara)が、大阪府内の中古品チェーン店で発見したものを報告した。「すでに中古として出回っているのかと驚きました」と、その時の感想を語っている。裾野さんが投稿した写真には、「Nintendo Switch 2(日本語・国内専用)マリオカート ワールド セット」らしき本体が写っていた。正規価格は税込5万3980円だが、この中古品は4万4982円で販売されていた。価格の上の注意書き「ダウンロードコンテンツ利用不可」が、多くのSNSユーザーの関心を集めた。裾野さんはこの中古品を購入しなかった理由として、「貼られた注意書きが気になった」ことと、「価格も中古にしては高く感じた」点を挙げている。また、「入手困難だとしても正規の方法で入手したい」とし、「任天堂さんのゲーム機は、正規の手続きで入手した方がサポートが手厚いという信頼があります」と語っている。

「ダウンロードコンテンツ利用不可」の二つの解釈

この中古品に貼られた「ダウンロードコンテンツ利用不可」という表示について、SNS上では主に二つの解釈が出ている。一つは、転売行為などの「利用規約違反」によって、ニンテンドーアカウントやゲーム機本体自体が任天堂によって利用停止されたのではないかという見方だ。もう一つは、商品に付属していた「マリオカート ワールド」のダウンロード版ソフトが、何らかの理由で利用できなくなっているのではないかという見方である。

任天堂公式サイトにある「ダウンロードソフトは後から所有者/管理者を変更できません」という注意喚起のテキスト画像。任天堂公式サイトにある「ダウンロードソフトは後から所有者/管理者を変更できません」という注意喚起のテキスト画像。

任天堂の公式情報が示唆すること

最初の解釈である「利用規約違反による本体利用停止」について、「ニンテンドーアカウント利用規約」を確認してみたが、「転売」行為そのものがゲーム機本体の利用停止に直結する、という明確な記述は見当たらない。任天堂はフリマサイトでの不正出品対策として、サービス事業者との連携などを強化していることを発表している。

次に、二つ目の解釈である「付属ダウンロード版ソフトの利用不可」について。任天堂の公式サイトには、「ダウンロードソフトはあとから所有者/管理者を変更できません」という重要な注意喚起が掲載されている。これは、「Nintendo Switch 2(日本語・国内専用)マリオカート ワールド セット」のような、本体セットにダウンロード版ソフトが付属する場合について説明している箇所にある。「本体セットのソフトの場合、ダウンロードしたユーザー(ニンテンドーアカウント)が所有者となります。ニンテンドーeショップに接続する前に、ユーザーと連携しているニンテンドーアカウントをよくご確認ください」とも案内されている。

これらの情報から推測すると、この中古品は、元々の所有者が自身のニンテンドーアカウントで付属の「マリオカート ワールド」を既にダウンロードしてしまった可能性が高い。一度アカウントに紐づいたダウンロード版ソフトは、たとえ本体が手放されても別のアカウントに移すことができないため、新しい購入者はそのソフトをプレイできない、という意味での「ダウンロードコンテンツ利用不可」であると考えられる。これは、ゲーム機本体自体が利用停止されているわけではなく、あくまで「付属のダウンロードソフトが利用できない」状態を示唆している可能性が高い。

まとめ:ダウンロード版ソフトの仕様に起因

今回SNSで話題となった、中古の「Nintendo Switch 2 マリオカート ワールド セット」に貼られた「ダウンロードコンテンツ利用不可」の表示は、任天堂の公式情報から判断すると、転売による本体利用停止ではなく、セットに付属していたダウンロード版ソフトが、既に元の所有者のニンテンドーアカウントに紐づけられており、新しい購入者が利用できない状態であることを示している可能性が極めて高い。中古品を購入する際には、物理的な本体だけでなく、デジタルコンテンツの利用条件についても注意が必要であることを示唆する事例と言えるだろう。

[出典] J-CASTニュース