武田鉄矢「ぽかぽか」で金八時代の「えこひいき」告白に波紋

俳優でタレントの武田鉄矢氏が6月6日、フジテレビ系番組『ぽかぽか』にゲスト出演し、過去の出演作『3年B組金八先生』での「えこひいき」について語った内容が、ネット上で波紋を広げています。武田氏は現在、同局の朝の情報番組『サン!シャイン』でスペシャルキャスターを務めており、フジテレビの「朝の顔」としても活動する中での発言に注目が集まっています。

教え子・斉藤祥太が証言した「えこひいき」

番組VTRに登場したのは、2001年から2002年にかけて放送された『3年B組金八先生』第6シリーズで生徒役を務めた俳優の斉藤祥太氏です。斉藤氏は、武田氏演じる坂本金八先生が、ある特定の生徒を呼ぶ際にだけ明らかに高いテンションで接していたと暴露しました。

その「えこひいき」の対象とされたのは、女優の上戸彩さんが演じた鶴本直という生徒でした。鶴本直は転校生でやんちゃな役柄であり、性自認は女子ではないという複雑な設定を抱えていました。校則に反してスカート丈を長く履くなど、当時の女子制服に違和感を感じる「男子」としての描写があり、この難しく挑戦的な役柄が見事にハマり、上戸さんはこのシリーズをきっかけに一躍売れっ子女優となりました。

武田鉄矢氏、金八先生時代の教え子・上戸彩さんへの「えこひいき」発言が物議に武田鉄矢氏、金八先生時代の教え子・上戸彩さんへの「えこひいき」発言が物議に

武田氏本人が明かした真意とカットされたシーン

斉藤氏からの「告発」を受け、武田氏は正直に、上戸さんの演じた鶴本直という役柄が「守ってあげたくなる」ほどハードで複雑な内容だったため、意識的に「えこひいき」したことを告白しました。

さらに、シリーズ最終回で生徒一人ひとりにアドリブで言葉をかける感動的なシーンにおいて、武田氏は上戸さんに対し「私はあなたが好きでした」「えこひいきした」と、自身の率直な気持ちを伝えたエピソードを明かしました。しかし、この上戸さんへのアドリブシーンは、放送時には全てカットされてしまったといいます。

ネット上の反発と、近年の「舌禍」の影響

名作ドラマの舞台裏での、一見ほほえましいとも取れるエピソードですが、この武田氏の発言に対してX(旧Twitter)などのSNS上では、「いい話なんだろうけど、ちょっとキモいと思ってしまった」「えこひいきを公言するのはどうなのか」といった否定的な意見や拒否感を示す声が広がっています。

こうした声が出る背景には、前出のエンタメ系ライターが指摘するように、武田氏の近年の「舌禍」が影響し、全体的な好感度が低下している現状があります。特に、女性とのトラブルが報じられた中居正広氏のプライベート問題に関する過去の発言は、問題を矮小化するものとして大きな批判を浴びました。こうした過去の「舌禍」や、現在出演中の『サン!シャイン』での「時代錯誤」とも取れる長めの持論展開が、彼の好感度を下げ、今回の「えこひいき」発言も額面通りに受け取られない背景にあるようです。

今回の『ぽかぽか』での発言は、過去のエピソードながら武田氏の現在のイメージと結びつき、思わぬ波紋を呼びました。「先生」として長年慕われる存在であるからこそ、時代に合わせた言動のアップデートが求められているのかもしれません。