50歳からの世界一周一人旅、世界一周航空券の魅力とは?

経済ジャーナリストで法政大学MBA兼任教員の浦上早苗氏は、50歳を迎えた2024年10月から、長年の夢だった世界一周一人旅に挑戦しています。この壮大な旅を可能にしているのが、「世界一周航空券」です。モロッコのサハラ砂漠でラクダに乗ったり、インドのジャイプールを訪れたりするなど、様々な地を巡る中で、彼女はこの航空券について多くの人に尋ねられます。特にインドで出会った70代の日本人夫婦との会話は印象的でした。世界一周旅行中だと話すと、「世界一周航空券ですか?」と目を輝かせ、「詳しく聞かせてほしい」と熱心に語りかけてきたのです。このように、「世界一周航空券」は、その存在を知らない人には驚きを与え、知っている人には深い興味を抱かせる特別な存在と言えます。この記事では、浦上氏の経験を基に、この魅力的な航空券について掘り下げていきます。

サハラ砂漠でラクダに乗る筆者、世界一周旅行中の浦上早苗氏サハラ砂漠でラクダに乗る筆者、世界一周旅行中の浦上早苗氏

世界一周航空券とは?その魅力と仕組み

世界一周航空券とは、複数の航空会社が提携して提供する、文字通り地球を一周するための特別な航空券です。アメリカやヨーロッパなど、大陸を跨ぐような複数の都市を訪れる場合、個別に航空券を購入するよりも大幅に費用を抑えられることが多く、ビジネス渡航でも利用されることがあります。しかし、その存在や具体的な仕組みについては、意外と知られていないのが現状です。筆者が「世界一周航空券で旅をしています」と話すと、「そんなものがあるんですね」と驚かれるか、あるいはその知識がある人からは、スターアライアンスかワンワールドか、東回りか西回りかなど、具体的な質問が矢継ぎ早に飛んできます。

主な種類と利用条件

スターアライアンスとワンワールド

世界一周航空券は主に、ANAが加盟するスターアライアンスと、JALが加盟するワンワールドの2つの大手航空連合から提供されています。どちらのアライアンスの航空券を利用するかで、旅の選択肢は大きく変わってきます。

有効期間とフライト数

共通している主な条件として、発券日から最大1年間有効であること、そして提携している航空会社のフライトを最大16回まで利用できる点が挙げられます。通常の航空券は、旅行する時期によって価格が変動しますが、世界一周航空券は基本的に年間を通じて同じ料金設定です。また、空席があれば旅程の日程変更が可能であることも大きなメリットです。これにより、比較的柔軟な旅の計画を立てることができます。

どちらのアライアンスを選ぶべきか?

スターアライアンスとワンワールドの世界一周航空券にはいくつかの違いがありますが、最も重要なのは「加盟している航空会社のラインナップ」です。行きたい都市や地域にそのアライアンスの加盟航空会社が就航しているかどうかで、ルートの自由度が全く異なります。例えば、ある地域への路線が充実しているのはスターアライアンス、別の地域はワンワールドという具合です。したがって、ご自身の旅の計画で行きたいエリアをカバーできる航空連合を選ぶことが、世界一周航空券を最大限に活用するための鍵となります。ただし、ルートの計画自体にはある程度の知識と時間が必要です。

50歳からの世界一周一人旅、筆者が計画した航空券ルート図50歳からの世界一周一人旅、筆者が計画した航空券ルート図

まとめ

結論として、世界一周航空券は、複数の国や地域を効率的かつ経済的に巡りたい旅行者にとって、非常に魅力的な選択肢です。特に、筆者のように「50歳からの新たな挑戦」として長期の一人旅を計画するような場合、有効期間の長さや日程変更の柔軟性は大きな安心材料となります。適切なアライアンスを選び、計画的に活用することで、夢だった世界一周旅行を現実のものにできる、まさに旅の可能性を広げるツールと言えるでしょう。

[出典] Yahoo!ニュース (東洋経済オンライン)