連続テレビ小説「あんぱん」第12週「逆転しない正義」あらすじ:戦争が激化、嵩は紙芝居、のぶは勤労奉仕へ

今田美桜が主演を務めるNHK連続テレビ小説「あんぱん」(毎週月~土曜 朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は一週間を振り返り)は、物語が激動の戦争へと向かう中、第12週「逆転しない正義」が6月16日(月)から放送される。やなせたかし氏と妻・暢氏をモデルにした本作は、困難な時代を生き抜いた二人の姿を通して、「アンパンマン」にたどり着くまでの人生と、「逆転しない正義」というテーマを描いている。

連続テレビ小説「あんぱん」とは

連続テレビ小説の112作目となる本作は、「アンパンマン」を生み出した漫画家やなせたかし氏と、彼を支え続けた妻・小松暢氏の波乱万丈な生涯をモデルにしたフィクション作品。戦前から戦後にかけての激動期を背景に、高知出身の“ハチキンおのぶ”こと朝田のぶと、後の夫となる柳井嵩が、様々な荒波を乗り越え、最終的に世代を超えて愛される「アンパンマン」と、その根底にある「逆転しない正義」という哲学にたどり着くまでの、愛と勇気に満ちた軌跡を描く。主人公の朝田のぶ役は今田美桜、夫となる柳井嵩役は北村匠海が演じ、脚本は「花子とアン」「西郷どん」など、人間ドラマに定評のある中園ミホが手がけている。

第12週「逆転しない正義」あらすじ詳細

中国福建省に上陸した柳井嵩(北村匠海)は、軍の宣撫班勤務を命じられる。そこで健太郎(高橋文哉)と共に、占領地の人々の心を安定させるための紙芝居制作と巡業を行うことになる。二人は新作の紙芝居を作り、各地で公演する日々を送るが、戦況は悪化の一途をたどり、日本の敗戦が刻一刻と迫ってくる。戦地では食糧難も深刻になり、嵩はタンポポの根をかじって飢えをしのぐような厳しい状況に追い込まれる。

同じ頃、故郷の朝田パンには、パンの材料となる小麦粉などが手に入らなくなり、ついに休業を余儀なくされる事態となる。学校に通っていた子供たちも学徒勤労奉仕にかり出されるようになり、教師であるのぶ(今田美桜)は、働き手を失った農家の手伝いを生徒たちと共に行いながら、教壇に立ち続ける日々を過ごす。町はがれきの山となり、戦争の爪痕が色濃く残る中、のぶは立ちすくんでしまう。

連続テレビ小説「あんぱん」第12週、荒廃した町を見つめるのぶ(今田美桜)連続テレビ小説「あんぱん」第12週、荒廃した町を見つめるのぶ(今田美桜)

予告動画が示す第12週の緊迫感

公式サイトで公開されている第12週の予告動画は、緊迫した空気が伝わる映像で始まる。「戦争は終わらんがですね」と、がれきの山となった町を見渡し、呆然と立ち尽くすのぶの後ろ姿が映し出される。続いて、のぶの妹である蘭子(河合優実)とメイコ(原菜乃華)が泣き叫ぶ痛ましいシーンや、「これのどこが正義の戦争なんだ?」と、戦争の不条理さに苦悩する嵩の姿が映る。

戦地での厳しい状況を示す映像も続く。「食いもんをよこせ!」「腹が減ったなぁ」と訴える兵士たちの声、そして嵩がタンポポの根をかじる衝撃的な場面が流れ、食糧難の過酷さを物語る。場面が切り替わり、「それが戦争やろうもん」と現実を突きつける健太郎の言葉、そして怪我をした兵隊が大勢横たわる光景が映し出される。

連続テレビ小説「あんぱん」第12週、中国で紙芝居を描く嵩(北村匠海)連続テレビ小説「あんぱん」第12週、中国で紙芝居を描く嵩(北村匠海)

動画の終盤では、「みんなで食べたあんぱん、また食べたいな」という、かつての平和な日常を懐かしむような言葉と共に、嵩が力尽きたように倒れる姿が映し出され、激動の第12週を暗示して動画は幕を閉じる。何者でもなかったのぶと嵩の二人が、戦争という未曽有の危機をどのように乗り越え、「アンパンマン」の根幹となる思想へと繋がっていくのか、注目が集まる第12週となる。