参院選出馬会見の翌日、山尾志桜里元代議士の国民民主党からの公認取り消しが発表された。玉木雄一郎代表の指示で3時間にも及んだ過去の不倫問題を巡る会見直後の出来事だった。この対応に対し、東京新聞の望月衣塑子記者は「違和感がある」と述べている。
望月衣塑子記者が語る「違和感」と国民民主党への評価
会見では、山尾氏の8年前の不倫問題に質問が集中し、3時間にも及んだ。その中で、普段は厳しい追及で知られる東京新聞の望月衣塑子記者が質問に立った。彼女は、玉木代表が昨年11月に元グラドルとの不倫疑惑で役職停止処分を受けた後、代表に復帰した件に触れ、「玉木さんと元グラドルとの不倫問題以上に厳しい質疑になっている。男性以上に女性が厳しく追及されることに違和感は持っている」と、山尾氏に対し同情的なニュアンスで質問を投げかけた。望月氏は山尾氏と中高の同窓生であることも明かしている。
過去の不倫問題が報じられた頃の山尾志桜里氏の写真
今回の公認取り消しについて、望月氏は自身の見解を述べた。「山尾さんは、参院選出馬は玉木代表から声を掛けられ、要請されたと言っている。だから本人は覚悟を決めて立候補を決意した」と、山尾氏側の認識を説明。玉木代表の判断については、「玉木代表は、山尾さんには不倫の問題があるが、自身の不倫問題も乗り切れたからと影響を甘く見たのではないか」と分析した。会見での山尾氏の対応については、「8年前の件についてはゴメンナサイを繰り返すばかりでしたから、“これでは厳しいな”と私も感じました。ただ、彼女の政治に対する気迫は感じられた。本気なのだと」と評価と懸念を述べた。
国民民主党の山尾志桜里氏(左)と東京新聞の望月衣塑子記者(右)が記者会見で並ぶ様子
しかし、玉木代表はネットでの強い批判を受けて「掌返し」で公認を取り消したと指摘。「自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと判断すると即切り捨てる。国民民主党はこういう対応をする政党であることを世間に知らしめたわけです」と、党の対応を厳しく批判。山尾氏公認で支持率が急落したとされる国民民主党だが、今回の取り消しが世間にどう受け止められるか、その動向が注目される。
今回の国民民主党による山尾氏の公認取り消しは、望月氏の視点からは党の都合による判断であり、その対応は国民に党の体質を示すものとなったと結論づけられる。
参考:週刊ポスト2025年6月27日・7月4日号