スマートフォン普及などで生徒の読書離れが進む現代。東京都品川区にある品川翔英中学校高等学校は、従来の概念を覆す学校図書室の改革で注目を集めています。活字離れが懸念される中、同校の斬新な取り組みは、子どもたちの読書習慣をどのように変えているのでしょうか。
生徒中心の革新的な空間デザイン
同校の図書室「INNOMAG」は、日当たり抜群の7階に位置します。「本のため」より「生徒のため」を優先し、見晴らしの良い、生徒が最も来たくなる場所を選びました。室内は壁面本棚と中央のソファ、テーブル席で構成され、まるで洗練されたコワーキングスペース。生徒が本と偶然出会い、仲間と自由に議論できる場を目指した空間デザインです。
青空が広がる窓辺にソファとテーブルが並ぶ、明るい品川翔英中学高等学校のINNOMAG内部
「INNOMAG」が促す読書
「図書室」ではなく「INNOMAG」と名付けられたこの空間には、想像、育成、つながり、機会、心の在り方、感謝、成長といった多角的な意味が込められています。多くの本が面陳列され、手書きポップや「貸し出し中」札が生徒の関心を引きつけます。見える本の数は少ないかもしれませんが、この工夫が功を奏しています。
面陳列された本に手書きポップが添えられ、「貸し出し中」の札がついた書棚
利用者と貸出数の劇的増加
INNOMAGへの改修後、利用者、貸出数ともに激増。貸出数は初年度で以前の倍となり、その後も増加傾向が続き、今年度も既に前年ペースを上回ります。この結果は、図書室の空間と運営方法を変えることが、現代の生徒の読書促進に極めて有効であることを証明しています。品川翔英の事例は、他の教育機関にとって重要な示唆となります。
結論
品川翔英中学校高等学校の「INNOMAG」は、図書室の概念を刷新し、生徒中心のアプローチで読書習慣を促進することに成功した事例です。この学校図書室の改革は、デジタル時代における生徒の読書離れ対策の有効な方法を示唆しています。
写真:東洋経済education × ICT
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