2025年上半期に日本で配信された数多くの韓国ドラマの中で、特に韓ドラのプロたちが「最も面白かった」と高く評価した作品の一つが、Netflixシリーズ「いつかは賢いレジデント生活」です。「賢い医師生活」のスピンオフとして注目を集める本作が、なぜ多くの専門家から絶賛されたのか、その魅力に迫ります。産婦人科を舞台にした新人レジデントたちの奮闘は、視聴者に共感や感動を与え、単なる医療ドラマにとどまらない深さを持っています。
専門家が語る「いつかは賢いレジデント生活」の魅力
本作は、大学病院の産婦人科で働く4人の新人レジデント、オ・イヨン、ナムギョン、サビ、オム・ジェイルを中心に描かれます。経験豊富な「韓ドラのプロ」たちは、それぞれの視点から本作の魅力を熱く語っています。
『いつかは賢いレジデント生活』主演の若手俳優4人(左からハン・イェジ、シン・シア、コ・ユンジョン、カン・ユソク)
今 祥枝さんは、特に50代という自身の年齢でも響くものがあったと指摘。やる気のなさそうに見えるオ・イヨンの変化や、ひよっ子たちが成長する姿に仕事の「初心」を思い出し、先輩医師たちの姿から若者への接し方を考えさせられたと言います。「賢い医師生活」本家とのリンクや、新しい命にまつわるエピソード、そしてK-POP要素(元アイドル設定のジェイルとTOMORROW X TOGETHERの関連)も楽しめた点を挙げています。
小田 香さんは、序盤のキャストへの先入観がすぐに覆されたと述べ、キャラクターたちが生き生きと描かれ、彼らの成長を見守るうちに物語に没入した体験を語ります。クールながら一途なイヨンの恋愛模様(ドウォンとの関係)を「最高に微笑ましかった」と評価。本家シリーズの俳優たちのカメオ出演も楽しさの一つとし、群像劇としての秀逸さを強調しています。
山崎敦子さんは、個性豊かな4人の新米レジデントの姿に「癒され、勇気づけられる」と感じた点を挙げます。優秀ながら医者になりたくないイヨン、今どきZ世代のナムギョン、AI並みの知識を持つサビ、心優しいジェイルといったそれぞれのキャラクターが、命の現場である産婦人科での出来事を通じて成長していく様子を描写。「それあるよね〜」と自身の新人時代と重ね合わせながら、笑ったり憤慨したり、胸を締め付けられたりと感情移入したと語ります。ジェイルの元アイドル設定と、現実のTOMORROW X TOGETHERメンバーが登場する演出にも言及しています。
佐藤 結さんは、「応答せよシリーズ」からのファンとして、本作のクリエイターたちの手腕を改めて評価。新人医師たちの未熟さから始まる物語が、それぞれの成長を経て最後には「ホロリ」とさせられたと述べます。俳優の新たな魅力を引き出すことに長けた制作陣により、特に本作でデビューしたサビ役のハン・イェジが光っていた点を特筆。本家「賢い医師生活」メンバーのカメオ出演も楽しめたと加えています。
中川 薫さんは、本作が人気シリーズのスピンオフであること、そして前大統領の政策による影響で配信が遅れた背景に触れつつも、「待った甲斐のある良作」だったと断言。くじけては立ち上がるレジデントたちの姿に深い共感を覚え、「さすが賢医シリーズ!」と唸るほどの満足度だったと評価します。スピンオフならではの設定やカメオ出演に加え、制作陣の「全力のお遊び心」に度肝を抜かれた体験を詳細に語っています。特にジェイルの元アイドル設定を巡る、架空のグループHI-BOYZのMV制作(TOMORROW X TOGETHER出演)や音楽番組へのリアル出演、公式サイトを病院サイトに見立てるなどの徹底した演出を高く評価しています。
まとめ
Netflixシリーズ「いつかは賢いレジデント生活」は、韓ドラのプロたちから、新人レジデントたちのリアルな成長、個性豊かなキャラクター、視聴者の共感を呼ぶストーリーテリング、本家シリーズとの巧みなリンク、そして制作陣の遊び心溢れる演出といった多角的な面で高く評価されています。産婦人科という特殊な舞台で繰り広げられる彼らの奮闘は、多くの人々に仕事の「初心」や人間的な成長の尊さを改めて感じさせ、観る者に癒しと勇気を与えてくれる作品と言えるでしょう。2025年上半期を代表する韓国ドラマとして、その質の高さが専門家によって証明されました。