中国の太陽光企業トップ、過剰生産能力解消呼びかけ 悲観的見通しも


ソーラーパネル・太陽光発電大手、天合光能(トリナ・ソーラー)の高紀凡会長は13日に上海で開幕した第18回SNEC国際太陽光発電・スマートエネルギー展覧会で、太陽光発電機器メーカーはバリューチェーンの損失が昨年400億ドルに達し、他の事業も含めた業界全体の損失は600億ドルに上ったと明らかにした。中国の政府と業界は、ほとんどのメーカーが赤字化する要因となった過剰生産能力と競争激化に対処しているという。

高氏によると、経済政策の司令塔である国家発展改革委員会(NDRC)は2月のオンライン会議で新規製造を禁止する方針を打ち出したが、それでもこの数カ月間に新たな製造拠点が建設された。

トリナ・ソーラーは足元で太陽光関連機器製造が事業全体の3分の2を下回っており、今後はプロダクトソリューションやエネルギーストレージなどの分野に一段と注力して、この比率を向こう2、3年以内に50%以下に引き下げる計画だという。

太陽光パネル大手GCLの朱共山会長も、事業合併を通して業界全体を刷新し、生産能力を減らすよう訴えた。また中国は関税やその他の貿易障壁に対応する中で単一市場への依存から脱却しつつあり、海外で新たな市場が成長していると指摘した。

一方、展覧会に参加した複数の関係者が、太陽光関連製品の価格が年内に持ち直すことはないとの見通しを示した。

中国東部に拠点を置く太陽光パネルメーカーの幹部は、需給をバランスさせ、価格を支えるには大規模工場2、3カ所で生産を停止する必要があるが、近いうちに実現する可能性は低いと述べた。別の太陽光パネルメーカーの関係者も「過剰生産能力の問題はあまりにも深く、底が見えない」と悲観的な見方を示した。



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