フジテレビは、港浩一前社長と大多亮元専務に対して、損害賠償訴訟を起こしました。
請求額は50億円。
今年6月末までにフジテレビが被った損害額、約453億3500万円の一部として、2人に連帯して支払いを求めるとしています。
【画像】損害賠償50億円求める…払えない場合は フジテレビ 前社長と元専務を提訴
訴訟に至った理由は、中居正広氏と元アナウンサーをめぐる一連の問題に対する対応です。
港氏らは当初、“個人間のトラブル”ととらえ、コンプライアンス部門に共有せず、事実関係の調査も行っていませんでした。フジテレビは、事実関係の調査や対策チームの設置など、2人が取締役として果たすべき義務を怠ったと指摘しています。
また、この一連の問題で起きたスポンサー離れ。1月末までに、CMを差し止めたのは300社以上となり、フジテレビの広告収入は、大きく減少しました。
フジテレビは、一連の問題の法的責任の有無について、利害関係のない外部の独立した法律事務所に分析業務を委任し、調査・検討をしてきたといいます。その分析結果をもとに、28日、提訴しました。
フジテレビの文書から
「本訴訟を含めた一連の取り組みを通じて、公共性をもって社会に貢献できる企業グループであることを目指し、着実に改革を実行してまいります」
◆なぜ、フジテレビは、このような訴訟を起こしたのでしょうか。
企業の法務やガバナンスに詳しい永沢徹弁護士に聞きました。
永沢弁護士は「“けじめをつける”という意味合いがあるのでは。前社長ら旧経営陣が義務を果たしていなかったと認めさせ、いまの経営陣とは違うと、はっきり線を引く。今後は、人権とコンプライアンスを最重要にしていくという姿勢を明確に示すためでは」と指摘します。
50億円という金額は、どうみればいいのでしょうか。
永沢弁護士は「フジテレビ側は、両被告が50億円すべてを払いきれるとは思っていない。ただ、損害額が450億円以上になっているなかで、仮に請求金額を数億円にすると、“身内に甘い”“忖度している”という指摘もありえる。会社側としては、本気度を示す証しとしての金額ではないか」としています。そのうえで、「過去の事例では、和解に持ち込み、支払いが減額される場合もあった。一般的には、被告の全財産を明らかにしたうえで、その資産内で支払う形になる」といいます。
テレビ朝日