男性看護師、患者に医師と間違われる?その理由と意外なメリット

チャンネル登録者数13万人を超える人気YouTubeチャンネル「えぼしチャンネル」で男性看護師のあるあるや日常を発信する、現役男性看護師のえぼしさん。女性が圧倒的多数を占める看護の現場では「肩身が狭い」と感じることもある一方、男性ならではの思わぬ利点もあると語ります。えぼしさんの著書『男性看護師ですが何か?』から、いわゆる“メンズ看護師”に対する患者さんの率直な反応について紹介します。

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「看護師です」と名乗る際の気まずさ

男性看護師として勤務していると、患者さんやそのご家族から医師だと間違われることが少なくありません。特に初対面の場合に多く、「看護師です」と自己紹介すると、「あ、看護師さんなんですね、すみません」という反応が返ってきます。その瞬間、「こちらも、なんかすみません」といった微妙な空気が流れるといいます。

男性看護師は、医療現場においてはまだ少数派という認識が強く、患者さんにとって珍しい存在です。多くの人々が看護師といえば女性を想像し、男性は医師という固定観念を持っていることが、こうした勘違いが起こる要因でしょう。このような状況に直面するたび、少しの戸惑いを感じながらも、自分が看護師であることを丁寧に説明しているそうです。しかし、この医師に間違われるという経験には、実は意外なメリットも存在すると、えぼしさんは指摘しています。

看護師の指示には従わない患者も、医師には従う現実

患者さんの中には、看護師の説明や指示には耳を貸さない一方で、医師の言葉には素直に従うというケースが見られます。例えば、採血が必要な患者さんが「採血なんてやらない!」と強く拒否する場面。看護師が病気治療における採血の重要性を繰り返し説明しても、拒否の姿勢を崩しません。そこで医師に相談し、医師が改めて「採血は病気を治すために必要です」と伝えると、患者さんは「先生がそう言うなら、やります!」と態度を軟化させることがあるのです。

看護師としては、「同じ内容の説明を数分前にしたのに…」と複雑な心境になりますが、このような現実があるのも事実です。「看護師の指示にも従ってほしい」という思いは抱えつつも、患者さんの回復を最優先に考えなければなりません。

こうした背景から、男性看護師が医師と勘違いされることで、検査の実施や患者さんへの対応がスムーズに進むことがあるといいます。「家に帰りたい」と強く訴える患者さんに対し、女性看護師がいくら説得しても難しい場合、男性看護師が呼ばれることがあります。女性看護師から「私たちじゃ無理だから、男の人から説明して!」と頼まれるのです。言われるままに病室を訪れ、「今は体調が悪いから入院しているんですよ。まずはしっかり治してから家に帰りましょう」と医師のように話すと、「先生がそう言うなら分かりました」と納得してくれるケースもあるそうです。内心は複雑な感情が交錯するといいますが、患者さんのケアが進むという点では結果的にプラスに働くことがあるのです。

しかし、医師に間違われることがあっても、えぼしさんは常に看護師としての誇りを持ち、日々の業務に取り組んでいます。患者さんに寄り添い、質の高いケアを提供することが医療現場において最も重要であると信じ、看護師の役割がより広く社会に理解されることを願って、業務に励み続けています。

まとめ

男性看護師は医療現場ではまだ少数派であり、そのために患者さんから医師と間違われることが頻繁にあります。自己紹介時の気まずさはあるものの、医師だと勘違いされることが、看護師の指示には従わない患者さんに対して、検査やケアを円滑に進める上で意外なメリットとなる場合があることが、えぼしさんの経験から語られています。しかし、男性看護師たちは、患者さんのケアに対する情熱と看護師であることへの誇りを持ち、日々業務にあたっています。彼らの存在と役割への理解が深まることが期待されます。

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