「令和のコメ騒動」としてコメ価格が高騰し、わずか1年で価格が約2倍となる異常事態が続いています。その背景には何があるのか。長年の取材経験を持つ農業ジャーナリストは、農林水産省の米不足への認識不足と、正確な需給把握の失敗が招いた結果だと指摘しています。
コメ価格高騰の背景と農水省の対応
コメ価格の高騰は2024年春に始まり、玄米60キログラム当たりの相対価格が1年前の1万5000円台から今年4月には2万7000円台へ、小売価格も5キロ当たり4000円を超えるなど、約2倍になるなど深刻化しています。この状況に対し、農林水産省は2024年産の収穫量増を根拠に「需給は均衡している」との姿勢を崩さず、価格上昇は「流通段階での滞留(流通目詰まり論)が原因」と説明しました。
【令和のコメ騒動】価格高騰を示すコメ袋のイメージ写真。農林水産省の政策との関連性が指摘されている。
しかし、ベテラン農業ジャーナリストは、正確な需給把握ができていれば、流通目詰まり論のような説明ではなく、備蓄米放出など早期の対応ができたはずだと指摘します。筆者は、この騒動の根本原因は、農林水産省自身がコメの需給を見失っていたことにあると分析しています。
結論として、今回のコメ価格高騰は、農林水産省の需給把握の失敗と適切な措置の遅れが大きく影響しており、単なる流通の問題ではないことが示唆されています。