アメリカのトランプ大統領は日本時間の今朝、日米関税合意に基づき、日本からの自動車および自動車部品に対する追加関税を引き下げる大統領令に署名しました。これは、両国間の長年の貿易交渉における重要な進展であり、特に日本の自動車業界にとって大きな意味を持つニュースです。今回の措置は、貿易摩擦の緩和と、さらなる経済協力の推進が期待されています。
大統領令の詳細:自動車関税の引き下げと相互措置
署名された大統領令によると、現在27.5%が課されている自動車と自動車部品の追加関税が、15%に引き下げられます。これは、日本が長らく求めてきた措置であり、日米間の貿易不均衡是正に向けた具体的な一歩となります。また、相互関税については、品目ごとに異なる対応が定められました。具体的には、関税率が15%未満の品目については一律15%に設定され、一方で、すでに15%以上の関税が課されている品目に対しては、これ以上の追加課税は行われない「特例措置」が適用されることになります。
日本側のコミットメント:対米投資とコメ輸入の拡大
今回の合意には、日本がアメリカに対して約束した大規模な経済協力も含まれています。日本はアメリカに80兆円規模の対米投資を行うことを約束し、この投資はアメリカ政府によって戦略的に選定され、数十万人規模の雇用創出と国内製造業の拡大に貢献すると明記されています。さらに、コメの輸入に関しても具体的な取り決めがなされました。関税ゼロで輸入が可能な「ミニマムアクセス」の枠内で、アメリカ産米の調達量を現在の水準から75%増加させることも盛り込まれており、これによりアメリカの農業部門への支援が強化されます。
赤沢経済再生担当大臣の反応と背景
今回の合意について、赤沢亮正経済再生担当大臣は、「『やっと』というのが正直な感想。始めた当初から『一筋縄ではいかないぞ』と当然、想定としてはあった」と述べ、交渉の困難さを振り返りつつ、合意成立への安堵感を示しました。この発言は、日米間の複雑な貿易交渉が、多大な労力と時間を要するものであったことを物語っています。
日米関税合意の署名式で、赤沢経済再生担当大臣とラトニック米通商代表が抱擁を交わす様子
今回の関税引き下げと日本側のコミットメントは、日米両国の経済関係をより強固なものとし、今後の貿易・投資の活性化に繋がることが期待されます。国際的な貿易環境が変化する中で、両国が互恵的な関係を築き続けるための重要な節目となるでしょう。
参考文献
- TBS NEWS DIG Powered by JNN: 日米関税合意、トランプ大統領が自動車追加関税引き下げの大統領令に署名 (2023年〇月〇日)