立憲民主党の小沢一郎衆院議員(83)が17日、自身の事務所公式X(旧ツイッター)を更新し、小泉進次郎農水相(44)がXに投稿した一連の「ランチ動画」について、再び厳しい批判を展開した。小沢氏は、これらの投稿が「パフォーマンス」に過ぎず、政治家としての姿勢に疑問符を投げかけるものだと指摘している。
小沢氏は、小泉氏が先月21日に農水相に就任して以来、その言動に対して度々異を唱えてきた。特に、前任の江藤大臣と比較しながら「かなりズレたところがある」と述べたり、政府備蓄米の放出決定に対しても「この大臣は決定的にずれている」「自民党農政の結果、こんな事態になってすみません、だろう」と辛辣な意見を投稿してきた経緯がある。これらの発言は、日本の農業政策や食料安全保障に対する小沢氏の長年の懸念を反映している。
小沢氏が批判の矛先を向けたのは、小泉氏が連日投稿している「今日のお昼」と題した一連の動画や画像である。生活に苦しむ人々が少なくない現状に触れつつ、美味しそうな食事の様子を公開することの必要性について「疑問がある」と以前から呈していた。この批判は、政治家がSNSで発信する内容と、国民感情や社会状況との乖離に対する問題提起と言える。
最も直近の批判の対象となったのは、小泉氏が13日に投稿した動画だ。その中で小泉氏は「今日のお昼。福島県麓山高原豚(はやまこうげんとん)を使った定食」と紹介しながら、農水省の食堂で食事をする様子を映していた。さらに、続く投稿では食事中に電話対応をする動画をアップし、「今日はお昼を食べながら、備蓄米のスムーズな受渡しのため協力して下さっている国の受託企業の方々にお礼と引き続きのご協力のお願いの電話をしました」と説明していた。しかし、この「食事中の電話応対」という行為が、インターネット上で「行儀が悪い」といった批判を招いた。
立憲民主党の小沢一郎衆院議員。小泉進次郎農水相のSNS投稿を批判している。
こうした状況に対し、小沢氏は再び自身のXで「浅い。何よりマナー違反。全てが見え透いている。パフォーマンスではなく、政治をやるべき」と厳しく批判した。食事中に忙しなく電話対応する様子を「パフォーマンス」であると断じ、小泉氏に政治家として本質的な仕事に注力するよう促した。この発言は、政治家が情報発信の方法よりも、政策の遂行や国民への奉仕に重きを置くべきだという小沢氏の政治信条が反映されている。
小泉氏は13日の動画投稿以降、「ランチ動画」の形式での投稿は控えている模様だ。直近の投稿では、食事の様子を動画ではなく、農水省内のコンビニ「おむすび権米衛」で購入したおにぎり2個の画像をアップしているに留まっている。
今回の小沢氏による一連の批判は、SNSが政治家にとって重要な情報発信ツールとなった現代において、その使い方や発信する内容がどのように評価されるか、そしてそれが政治家自身の信頼性や国民からの見られ方にどう影響するかという点を浮き彫りにしている。ベテラン政治家である小沢氏と、若手注目株である小泉氏の間の世代間ギャップや政治スタイルの違いも、この対立の背景にあると言えるだろう。