トランプ氏、イランに「無条件降伏」迫る 中東情勢巡り圧力強化

トランプ大統領が、イスラエルと衝突が続くイランに対し「無条件降伏」を迫る強いメッセージを発しました。自身のSNSでイランの最高指導者に関する投稿を行い、圧力を強化しています。カナダで開かれたG7サミットには、ウクライナのゼレンスキー大統領が出席し、停戦に向けた道筋などが議論されましたが、トランプ大統領の姿はありませんでした。

G7を途中退席、中東情勢対応を理由に

トランプ大統領は、G7サミットを異例の途中退席しました。その理由について、16日には「早く戻らないといけない。非常に重要なことなんだ」「中東情勢の対応」と説明しています。彼は単なる「停戦以上のものを求めている。終結だ。停戦ではなく真の終結だ」と強調しました。

イスラエル・イラン衝突と米国の立場

攻撃の応酬が続くイスラエルとイランの対立において、イスラエルの後ろ盾であるアメリカは、イランに対して核開発の完全放棄を求めています。トランプ大統領は、この状況下でイランへの圧力を強める投稿を自身のSNSで行いました。

SNS投稿でイラン最高指導者に言及

トランプ大統領はSNSで「現在、我々はイラン上空を完全に掌握している」「我々はいわゆる“最高指導者”がどこに隠れているか正確に把握している」と投稿しました。これはイランの最高指導者ハメネイ師について言及したものです。

イランの最高指導者に対しSNSで「無条件降伏」などを投稿するトランプ氏のメッセージ画面イランの最高指導者に対しSNSで「無条件降伏」などを投稿するトランプ氏のメッセージ画面

さらに、トランプ大統領はハメネイ師に対し「簡単な標的だが、そこにいる限り安全だ。我々は少なくとも今のところは彼を排除するつもりはない」と述べました。「民間人やアメリカの兵士らに向けてミサイルが撃たれることは望んでいない」としつつ、「我慢の限界が近づいている」と警告。この投稿のわずか3分後には「無条件降伏!」と改めて投稿し、強い姿勢を示しました。

バンカーバスター、米軍の直接関与は?

アメリカの直接的な軍事関与があるのかという点では、アメリカ軍が保有する特殊な爆弾が焦点となっています。精密誘導爆弾「バンカーバスター」について、イスラエルがアメリカに支援を求めていると報じられています。

標的とされているのは、イランのフォルドゥにある地下核施設です。この施設は地下およそ90メートルに設置されているとされ、イスラエルの通常の兵器では破壊が困難であるとされています。

G7サミット中に中東情勢対応のため途中退席を発表するトランプ氏G7サミット中に中東情勢対応のため途中退席を発表するトランプ氏

そのため、1発で地下およそ60メートルまで貫通し、連続して投下すればさらに深くまで到達可能とされる「バンカーバスター」が、最も可能性の高い攻撃選択肢の一つとされている状況です。イスラエルの攻撃に対しイランが徹底的な対抗姿勢を崩さない中、今後のトランプ政権の動向に注目が集まっています。

結論

トランプ大統領がイランに対し「無条件降伏」を迫るメッセージを発し、中東情勢を巡る圧力を強めていることは、地域の緊張を一層高めています。特に、フォルドゥの地下核施設への攻撃手段としてバンカーバスターが取り沙汰されるなど、米軍の直接関与の可能性も排除されていません。イランの強硬な姿勢が続く中で、トランプ政権が今後どのような対応を取るかが、地域の安定に大きく影響すると考えられます。

出典: 日テレNEWS NNN / Yahoo News