選択的夫婦別姓めぐり参考人質疑 白熱の議論 – 参政・吉川氏の質問に専門家が反論

選択的夫婦別姓の導入に関連する法案を審議する衆議院法務委員会は17日、参考人質疑を実施しました。この中で、導入に反対する参政党の吉川里奈氏が、賛成派の参考人3名に対し質問を行い、これに対して参考人側が反論する場面が見られました。選択的夫婦別姓制度の是非を問う議論は、多様な論点を含んでいます。

衆院法務委員会での選択的夫婦別姓に関する参考人質疑で質問する参政党の吉川里奈氏衆院法務委員会での選択的夫婦別姓に関する参考人質疑で質問する参政党の吉川里奈氏

寺原弁護士への質問と「法案と無関係」の指摘

国民民主党推薦の参考人である選択的夫婦別姓訴訟弁護団長の寺原真希子弁護士は、性的少数者(LGBT)の人権擁護にも積極的に取り組んできた経歴があります。吉川氏は、夫婦別姓導入論議がジェンダー平等の観点から語られることが多い点を踏まえ、寺原氏に対してトランス女性のスペース利用に関する問題提起を行いました。

具体的には、銭湯や更衣室などで生物学的女性が感じる不安や抵抗の事例に触れ、「少数の声を制度に反映することが結果として多数派の安心や秩序を損なう場合、どのように線引きすべきか」と質問しました。これに対し、寺原氏は「トランスジェンダーの方々の状況は、今回の選択的夫婦別姓の法案とは全く関係がない」として、質問への回答を避けました。

あすには代表理事への質問と調査精度をめぐる応酬

次に、立憲民主党推薦の一般社団法人「あすには」代表理事、井田奈穂氏が参考人として質問を受けました。吉川氏は、「あすには」が発表した夫婦別姓に関連する調査の結果について、その精度に疑問を呈しました。

この調査では、事前調査で事実婚の割合を2%とし、本調査で事実婚者の半数近くが夫婦別姓制度が実現すれば法律婚をすると回答したため、「58万7千人が制度を待っている」と推計していました。吉川氏は、「事実婚者全体が高い意欲を持っているかのように見えてしまう」と推計方法に疑問を投げかけました。井田氏は、事実婚の割合は内閣府調査とも一致しており、「全く矛盾しない」と反論しました。

吉川氏はさらに、「婚姻届を出すと答えた人が実際に出すかとは別問題であり、意向通り行動するのは社会調査では5割から7割と言われる点が考慮されていない」と指摘しました。これに対し井田氏は、「法改正前の意向調査を法改正後の行動と結びつけるのは非常に難しい。どのように推計するのか、逆に聞きたい」と問い返しました。

衆院法務委員会でのこの参考人質疑では、選択的夫婦別姓法案の審議において、法案そのものの論点に加え、社会課題との関連やデータ解釈など、賛成派と反対派の間で具体的な論点での応酬が見られました。今後の議論の行方が注目されます。

参考文献

Source link
(ヤフーニュース)